研究課題/領域番号 |
19K10963
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
永野 みどり 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (40256376)
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研究分担者 |
佐藤 正美 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (60279833)
中村 美鈴 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (10320772)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 褥瘡 / 地域連携 / 化学療法 / 外来看護 / ターミナルケア / 褥瘡予防 |
研究実績の概要 |
褥瘡管理者業務を実施している皮膚排泄ケア認定看護師10人の協力を得て、エキスパートパネルを2回実施し、データ収集項目の検討をした。2020年1月までに4つの病院に1台づつデータ入力用のノートPCを配備して、データ漏れ防止の環境を整えた。所属施設の倫理委員会の承認(受付番号30-283)を得てから、大都市中心部および通勤圏にある4つの急性期病院(合計2689床)に2018年11月~2019年4月に入院・退院した入院時褥瘡保有患者261名分の診療記録から、人口統計学的な項目として、年齢・性・仕事・認知症の有無・ケアの提供者・家族構成・経済状態の指標として保健の種類や生活保護の有無、臨床的な項目として主疾患・栄養状態・外来通院状況・化学療法の実施状況、入院前の介護サービスの利用等のデータを収集した。 「入院時褥瘡保有者全体」「在宅患者」「外来に通院中の在宅患者」「化学療法治療中」「高齢者施設に入所中」「死亡退院」などにカテゴリーに分類して、その特徴について分析している。そのうち2018年収集データを第28回日本創傷・オストミー・失禁管理学会(奈良)で5月に発表し、「在宅患者」に関して、11月に8th Asia Pacific Enterostomal Therapy Nurse Association(台北)で3分間プレゼンテーション付きポスター発表をした。2020年7月Web開催の日本創傷オストミー失禁学会、9月開催の日本褥瘡学会(神戸)、2022年3月World Union of Wound Healing Society(Abu Dhabi)にも演題が採択されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年1月までは順調であったが、Covid-19により、国内外の学会が延期やWeb開催に代わり、学会発表の予定が大幅に変更している。また、2020年2月以降は感染対策が最優先となり、病院ではデータ収集などの研究活動ができる状況ではなく、不備のあるデータの確認と入力ができず、分析に使えるデータを増やすことができない状況に陥っている。今後も病院のCovid-19に伴う繁忙状況により、データを増やすことが困難になる可能性もある。
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今後の研究の推進方策 |
予定されている学会の発表をし、研究者の交流から考察を深める。2020年度にデータ入力の数を増やすことができれば、分析をよりち密に行う。Covid-19の影響がつづき、にデータの数を増やす見通しがつかなかったら、2020年度末には論文として「入院時褥瘡保有患者の特性をパターンに分けて記述し、2021年には学術誌に投稿できるように準備する。また、エキスパートパネルの開催が可能であれば、「在宅や高齢者施設における褥瘡予防のための 患者アセスメントと外来看護の指針とパンフレットなどの作成」について検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本来国際学会であるWorld Union of Wound Healing Society(AbuDhabi)が3月に開催される予定であり、その交通費や宿泊費および参加費などが申請者と研究協力者にかかる予定であったが、Covid-19の影響で急遽延期となって、キャンセル料が派生した。そのキャンセル料に関する交渉が長引き、最終の決算が出せず、本来なら購入すべき消耗品が購入できなかった。また、本来なら実施すべきエキスパートパネルの開催もCovid-19の影響で中止となり、その費用が残ってしまった。
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