研究課題/領域番号 |
19K10970
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛 |
研究代表者 |
伴 佳子 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, その他, 准教授 (80726498)
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研究分担者 |
高橋 はるな 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, その他, 助教 (60779578)
小森 直美 湘南鎌倉医療大学, 看護学部, 准教授 (70438307)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ディグニティセラピー / がん患者 / 一般病院 / 看護師 |
研究実績の概要 |
ディグニティセラピーは、終末期患者の尊厳(dignity)を維持し実存的苦痛を緩和することを目的として開発され、海外においてはQOL向上などの有用性が示されている。日本においては、大規模な多施設合同研究が行われ半数以上に尊厳や現状の意味の向上、家族への有益性などが認められた反面、 参加への拒否が高く適切な対象を選択することが課題であった。実施可能性を高めるためには適切な対象の選定と信頼関係の構築が必要であることがわかっている。本研究は、がん患者の約8割が亡くなる一般病院において患者との信頼関係を構築しやすい看護師がディグニティセラピーを実施するものである。一般病院のがん患者に対して看護師が実施するディグニティセラピーの紹介基準を作成するとともに、その効果を明らかにすることを目的としている。 令和元年より、情報収集、ディグニティセラピーのプロトコルを作成し、並行して独自のプログラムによりセラピストを養成、2名のがん患者に対してディグニティセラピーを実践し、これらについて学会及び論文にて報告した。今後は、ディグニティセラピーの紹介基準(案)を作成して本調査を実施する予定である。 令和2年度よりCOVID-19の感染拡大に関連して研究協力病院が感染患者受け入れに伴う病棟閉鎖や他施設への支援拡大のため調査の実施が困難となった。セラピストの募集や養成も停止している。研究は中断している状況である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究は、一般病院のがん患者に対して看護師が実施するディグニティセラピーの紹介基準を作成するとともに、その効果を明らかにするものである。 令和元年度は、情報収集、調査実施準備、予備調査を実施した。情報収集では、国内外の文献と関連学会からディグニティセラピーを実施した患者の特徴等に関する情報収集を行った。調査実施準備では、研究協力の同意を得た看護師に申請者が作成したトレーニングプログラムを用いてセラピストとしてトレーニングするとともに、ディグニティセラピーの実施プロトコルを作成した。セラピストトレーニング修了者は、8名となった。ディグニティセラピー実施プロトコルは、特にセラピー質問紙について原文及び日本語訳、既存研究等を検討し数回の修正を行った。 令和2年度は、がん患者に対する調査を開始し1事例のみデータを得た。しかし、令和2年初頭からのCOVID-19の感染拡大に関連して研究協力病院が感染患者受け入れ施設となったため研究が中断している。1か月ごとの研究者会議は令和3年度11月と3月の2回のみ実施、他は中止となった。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究活動の全記録をデータとして、DTの紹介基準(案)を作成する。また、COVID-19の状況をみながら、まず研究者ミーティングを再開し、その後調査を開始する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和2年初頭からCOVID-19感染拡大のために研究活動が停止し、研究者会議や研究協力者のリクルートが行えない状況である。令和3年度はほとんどの学会がバーチャル開催となり、また研究者ミーティングも2回しか開催できなかったことから使用予定金額と大きな差が生じた。 令和4年度に研究の再開が可能となれば、がん患者にディグニティセラピー実施する際に必要なテープ起こしなどの経費や、ミーティング等のための交通費に使用する予定である。
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