研究課題/領域番号 |
19K10973
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
佐藤 奈保 千葉大学, 大学院看護学研究院, 准教授 (10291577)
|
研究分担者 |
西垣 佳織 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (90637852)
松澤 明美 茨城キリスト教大学, 看護学部, 教授 (20382822)
岡 澄子 杏林大学, 看護学部, 教授 (20305387)
小林 京子 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 教授 (30437446)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 重症心身障害児 / 家族 / 地域 / ケアロードマップ / ソーシャルキャピタル |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、重症心身障がい児(以下、重症児)と家族の発達段階に応じた変化と、変化の場面で発揮される家族の力を明らかとし、それらを基に、地域で生活する重症児と家族に対するケアロードマップならびにケアモデルの作成を行うことである。本研究の最終目標は、『地域で重症児を育てる家族が、地域資源と有機的に相互作用しながら生活を組み立て、家族員全員の健康な生活を維持、継続できることを目指すケアモデルの開発』である。この取り組みにより、重症児の家族に関わる専門職が、発達段階の変化において直面する課題を縦断的にとらえて支援を組み立てることを可能とし、また、家族が地域の中で力を発揮しながら生活を継続することを促す支援が可能となる。 令和3年度は前年度に続き、COVID-19パンデミックの影響で調査実施が実質不可能であったため、研究Bについて2つの研究を実施した。1つはSocial Capital尺度(Looman, 2006)の翻訳版開発であり、前年度から継続しての取り組みである。本年度は項目に関する検討を重ねた上で日本語版原案を作成したが、この後の信頼性、妥当性に関する調査の実施は、社会状況と研究期間を勘案し、本研究課題外で実施することとした。2つ目は、障害のある子どもをケアする向老期・高齢期の親に関するScoping Reviewである。これは、本研究課題の目的であるロードマップ作成に向けて、障害があり成人期を迎えた子どもと生活する親を対象とした研究が少ないことから、知見を集約するために取り組むものである。現時点の分析からは、これらの親は向老期・高齢期においても日常的にわが子が必要なケアを担っており、社会生活への影響を受けていたこと、また、身体的、精神的健康度が低く、自身ならびにわが子に関する多岐にわたる不安を抱えていたことが明らかとなっている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症パンデミックの影響で、調査実施が実質不可能となり、加えて、研究代表者、分担者とも、研究活動が困難な状況となったことから、研究計画の内容、方法を変更、検討し、研究期間を令和4年度までに延長することとした。今後も調査実施の可能性が不透明であることから、本研究課題の目的達成に向けて、計画ならびに実施方法を再検討しつつ遂行する。
|
今後の研究の推進方策 |
文献研究による知見を統合してケアロードマップ案を検討し、調査実施が可能であれば、専門職を対象とした調査を実施する。 令和3年度に実施したScoping Reviewの結果から、思春期~成人期となった重症児の家族の体験、ニードについて検討するとともに、Scoping Reviewの論文化に着手する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
【次年度使用額が生じた理由】社会状況により調査が実施できなかったこと、参加予定の学会、研究会が開催中止またはオンライン開催となったこと、研究打ち合わせをオンラインで実施したことから、旅費の支出がなかった。 【使用計画】研究期間を1年延長したため、次年度使用額は、専門職を対象とした調査にかかる費用、これまでの成果公表の準備に使用する予定である。
|