研究課題/領域番号 |
19K10975
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
金井 誠 信州大学, 学術研究院保健学系, 教授 (60214425)
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研究分担者 |
徳武 千足 信州大学, 学術研究院保健学系, 講師 (00464090)
芳賀 亜紀子 信州大学, 学術研究院保健学系, 講師 (10436892)
菊地 範彦 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 講師 (50447728)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 産後うつ病 / EPDS |
研究実績の概要 |
COVID-19の5類移行後も、本研究への参加協力説明が困難な状況が続いたため、2023年度までの研究参加者は14人に留まった。この14人に産後うつ病発症者は皆無であったため、当初計画の産後うつ病の背景因子の解析はできなかった。診療録情報の解析と妊娠末期の血中オキシトシン濃度・血中コルチゾール濃度の測定は実施したが、母児間スキンシップの検討は、入院中の面会制限などから実施できなかった。14人の内訳が初産婦8人・経産婦6人、経腟分娩7人・帝王切開分娩7人、高年妊婦6人・非高年妊婦8人であったので、これらの2群における解析を実施した。 (出産直後,産後2週間,産後1ヶ月)のEPDSの平均値を、初産婦群と経産婦群、経腟分娩群と帝王切開分娩群、高年妊婦群と非高年妊婦群で比較すると、出産直後の初産婦群は経産婦群より有意に高値であったが、これ以外全ての群間で有意差を認めなかった。妊娠末期の血中オキシトシン濃度,血中コルチゾール濃度の平均値を、初産婦群と経産婦群、経腟分娩群と帝王切開分娩群、高年妊婦群と非高年妊婦群で比較すると、血中オキシトシン濃度は初産婦群のみ経産婦群より有意に高値であったが分娩様式と年齢では有意差を認めなかった。血中コルチゾール濃度は全ての群間で有意差を認めなかった。鉄欠乏性貧血の指標となるHb,MCV,MCHCや炎症の指標となるCRP,肝機能および腎機能は全ての群間で有意差を認めなかった。 また産後6ヶ月のEPDS点数は、回答を得た10人全て4点以内で問題となる症例は認めなかった。 本研究期間の大半でCOVID-19の影響を受け、十分な検討を成すことができなかったが、今後、同様の研究を新たに立ち上げ、症例数を増やして、今回予定した産後うつ病の背景因子の解析と産後1ヶ月までの産婦健診で問題なかった産婦の6ヶ月後の状況解析を実施したいと考えている。
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