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2019 年度 実施状況報告書

プレコンセプションケアに基づく就労女性の栄養状態改善プログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K10983
研究機関大阪府立大学

研究代表者

渡邊 香織  大阪府立大学, 看護学研究科, 教授 (30281273)

研究分担者 桑原 晶子  大阪府立大学, 総合リハビリテーション学研究科, 准教授 (00582602)
竹中 重雄  大阪府立大学, 総合リハビリテーション学研究科, 教授 (10280067)
川村 千恵子  甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 教授 (20281272)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワードプレコンセプション / 栄養調査 / 健康診断
研究実績の概要

【目的】今年度は、妊娠可能年齢の就労女性のプレコンセプションケアに対する認識と栄養状態および健康診断の結果との関連性を検討することを目的とした。
【対象と方法】就業している年齢45歳以下の女性955名に記名自記式質問紙調査法を行い、有効回答を得られた286名を分析対象とした(回答率30%)。測定項目;①基本属性、妊娠希望の有無、②プレコンセプションケアの実施状況(以下PCC):19項目から構成される自作の質問票、③栄養状態:BDHQ(簡易型自記式食事歴法質問票)。
【結果と考察】平均年齢は32.4(±6.8)歳、BMIは20.9(±4.0)、やせ43名(15.0%)、標準220名(76.9%)、肥満22名(7.7%)、不明1名、未婚145名(50.7%)、出産経験無し170名(59.4%)、妊娠の希望有り121名(42.3%)であった。PCCの平均回答項目数は6.6(±3.5)、運動の実施が最も少なく(8.7%)、葉酸の摂取(11.9%)や鉄の摂取(15.0%)など6項目の実施率は30%未満、葉酸の摂取・鉄の摂取と栄養状態に関連は認めなかった。HbA1C5.6%以上は15名(5.2%)、貧血21名(7.3%)であり、栄養状態との関連は認めなかった。妊娠を希望する女性において、摂取エネルギー、カルシウム、鉄、ビタミンB1・2・6,C,D、葉酸、食物繊維の各栄養素は食事摂取基準値を下回っていた。年代・出産の交絡因子調整後、20歳代の妊娠希望の女性がしない女性よりもビタミンC,B1、食物繊維の摂取量が有意に低かった。
【考察】妊娠の希望に関わらずプレコンセプションケアを行う女性は少なく、栄養素の摂取不足状態であり、特に20歳代の妊娠希望女性の女性に栄養素が不足していることが明らかになった。葉酸や鉄の摂取と栄養状態に関連性を認めず、栄養素の定量分析など生理学的評価が必要である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度は、就労女性のプレコンセプションケアの認識と栄養状態、及び健康診断結果との関連性について検討することを予定しており、これらについては、予定通り質問紙調査を実施できた。得られた成果を学会にて発表予定である。

今後の研究の推進方策

栄養素の定量分析など生理学的評価と食事摂取状況との関連性の必要性から、ビタミン・葉酸・鉄の欠乏状態について、「バイオマーカー測定システム(LC-MS/MS)」による生理学的評価と「食事調査票」による栄養状態評価を進める予定であった。しかし、COVID-19感染症の影響により、協力企業との調整が行えず、健康診断の協力を得ることが困難な状況にあり、血清を用いた生理学的評価の実施ができないことが予測される。このことから、次年度は、これまで得られた、プレコンセプションケアや食生活の改善などの知見を基に、広報活動の一環としてホームページを作成し、女性の知識普及などに取り組む予定である。

次年度使用額が生じた理由

今年度は、バイオマーカー測定システム(LC-MS/MS)による微量栄養素分析のための消耗品を購入予定であったが、COVID-19感染症により、協力企業との調整が行えず、試薬の購入の調整ができなかったため、これらの費用が使用できなかった。次年度は、ホームページ開設とプレコンセプションと栄養・食事に関する知識の普及を行う予定である。さらに、感染症が落ち着いた時点で、協力企業との調整を行い、試薬の購入などにも充当する。

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公開日: 2021-01-27  

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