研究課題/領域番号 |
19K10985
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研究機関 | 愛媛県立医療技術大学 |
研究代表者 |
豊田 ゆかり 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 教授 (20217574)
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研究分担者 |
枝川 千鶴子 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 准教授 (00363200)
野村 佳代 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, その他, 教授 (90335589)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 医療的ケア児 / ライフイベント / 連携 / 調整 / 他職種 / 他機関 / 共助 |
研究実績の概要 |
医療的ケア児のための地域包括ケアを多職種連携の強化によって推進するために「共助」における連携システム(ガイドライン)を開発することを目的としている。 医療的ケア児が在宅生活を継続できるためには、ライフイベントに応じて中心的役割をどの機関や専門職が担うのか、そのコーディネイト機能の強化等を含む技術的、構造的働きかけが必要である。これは、地域包括ケアシステムの「共助」に関係すると考える。 今回の研究は、その第一段階のライフイベントに応じた関係機関や関係専門職の活動について明らかにする計画であった。研究倫理審査承認後、コロナ禍において、データ収集等が滞っていたが、今年度訪問看護師、児童ディサービス責任者、相談支援専門員に半構造化面接を実施した。その結果、それぞれの職種が医療的ケア児のライフイベントに応じて、他職種と連携しながら家族の希望に沿って他機関と連携、調整を実施していることが明らかとなった。 医療的ケア児の背景として体調管理を含む医療が欠かせない状態であり、また家族機能が弱く、ライフイベントに応じて手厚い家族サポート、複数の関係機関との連携等の支援が実施されていた。 特に福祉職である相談支援専門員は、児童デイサービス、保育園入園、小学校・中学校入学等ライフイベントに応じた支援を行い、高等学校卒業後の支援まで継続していた。子どもの体調や家族状況を理解している訪問看護師、病院看護師との情報交換を行い、必要時関係機関へと共に行動していた。保育園入園や小学校入学等自宅から社会へと活動が広がる時、関係する職種の不安は子どもの生命の安全に関することであった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍において、大学内管理職としての業務が増加し、研究にかける時間が不足した。またコロナ禍で関係職種も多忙であり、インタビューの環境の条件も整わずデータ収集が進なかった。そのため、研究期間の1年の延長を申請し承認された。
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今後の研究の推進方策 |
医療的ケア児のための地域包括ケアを多職種連携の強化によって推進するために「共助」における連携システム(ガイドライン)を開発する研究の最終目的を達成するために、研究第二段階の倫理申請を行い、第一段階で明らかになったライフイベントに応じた中心となる専門職、調整内容等を整理し、関係機関に必要な内容が盛り込まれているか、使用可能性について調査を行う計画である。 第一段階の研究結果は学会において発表予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍において、業務多忙で研究が進まなかった。またデータ収集が計画通り進まず謝金・旅費及び学会発表や学会参加の旅費が不要であったために大幅な経費の残となった。 今年度はデータ収集・分析のための経費及び学会発表、学会参加、結果の情報開示に経費を使用する計画である。
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