医療機器を装着したまま療養する医療依存度の高い子どもは増えており、病態が安定すると退院して在宅療養に移行となる事例が増えている。しかし、医療機器を装着したまま退院となる家族の意思決定は困難を極め、医療従事者も苦悩している。また、同意能力がある年齢の子どもの治療拒否も多く、治療開始までに時間を要する。この日常的な倫理的諸問題に対して、医療従事者は子どもや家族の意思決定支援を実践するための基礎教育は十分とは言えない上、臨床現場における倫理継続教育は存在せず、医療従事者個人の判断に委ねられている。 そこで本研究は、過去に医療従事者が子どもや家族の意思決定を支援する上で困難だった事例を集め、倫理継続教育のあり方と効果的な教材について調査し、患者家族との話し合いの困難感を改善する倫理継続教育、教材テキストの検討、e-learning教材を開発して倫理継続教育プログラムを考案することを目的とした。
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