研究課題/領域番号 |
19K11002
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
岡光 基子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 准教授 (20285448)
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研究分担者 |
矢郷 哲志 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 助教 (00778243)
大久保 功子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 教授 (20194102)
幸本 敬子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 非常勤講師 (80778960)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 育児支援 / 産前・産後 / ファミリーパートナーシップモデル / 子どもの発達 |
研究実績の概要 |
妊娠期からの親子の関係性支援の重要性が強調される中、専門職者の育成は喫緊の課題である。本研究課題では、英国のファミリーパートナーシップモデル(Family Partnership Model,FPM)に基づき開発された日本語版育児支援プログラムを用いて、専門職者への訓練を行い、その有用性を検討する。FPMは、支援過程において親と専門職者がパートナーシップを構築するエビデンスに基づいたプログラムである。前年度に首都圏にある市町村保健センター等で地域母子保健に従事している保健師や心理士など専門職者を対象に講習会を開催し、その前後および1か月後に質問紙調査を実施した。2020年度は、地域における産前・産後の親子の支援における実践でのプログラムの有用性について、分析を行った。分析結果より、訓練を行うプログラムとしては高い完遂率が得られ、実現可能性が示唆された。対象者のうち、プログラムは親子支援に効果的であるという項目に、「強く同意する」と答えた者が半数以上であった。また、FPMに基づいた親子の支援に関する自己の振り返りについて、その総得点が訓練前に比べ、訓練後と1か月後時点で有意に増加していた。また、対象者からプログラム自体には肯定的なフィードバックが得られたが、実践における適用のための課題が明らかとなった。今年度は、プログラムの原版開発者Dr. Crispin Dayと定期的にオンラインミーティングを設定し、今後の研究遂行に向けた議論をした。今後は、子どもやその家族への支援におけるプログラムの適用および持続可能性について更なる検討を継続していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当該年度は、COVID-19の影響もあり、専門職者を対象とした講習会を開催できなかった。そのため、すでに収集されたデータの分析を行う期間とした。今後も対象者数を増やし、更なる検討を行う必要がある。このような理由により、研究遂行はやや遅れているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、対象者を増やし研究を遂行する。研究の実行可能性、更にCOVID-19の影響を鑑みて、研究計画の見直しを行う必要がある。訓練を受けた看護職者によるFPMに基づく育児支援プログラムを用いた介入を実施する計画であったが、プログラム導入による親子を対象とした事前事後の評価研究の遂行は困難である。そのため、今後に向けての準備として、原版開発者からの助言をふまえ、オンラインでの講習会開催のためのガイドブックなど資料の修正を行う。現在、研究方法を変更し、研究遂行のための準備を整えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響により、講習会開催およびデータ収集などの研究遂行が遅れ、次年度からの研究方法における大幅な変更が生じたことが理由である。
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