研究実績の概要 |
【目的】本研究の目的は,小児糖尿病キャンプにおけるやFlash Glucose Monitoring(FGM)システムを活用した糖尿病患者への自己管理支援の効果を明らかにすることである。
【方法】A県の小児糖尿病キャンプに参加した小学生から高校生年までの同意が得られた19名を対象とした。連続的に皮下のグルコース濃度が測定できるリブレを、糖尿病キャンプ(3泊4日)開始後から2週間装着した。グルコース値の目標範囲内(70-180mg/dl), 低血糖(70mg/dl未満), 高血糖(181mg/dl以上)の割合を算出した。また,リブレ使用前後のHbA1c値, 1日の血糖測定の回数,糖尿病セルフケア尺度得点の変化についてt-検定, Wilcoxon の符号付き順位検定を用いて分析した。
【結果】対象者の属性は,年齢11.9±3.74歳,発症年齢6.2±3.61歳,男子11名(57.9%)・女子8名(42.1%),小学生10名(52.6%),中学生4名(21.1%),高校生5名(26.3 %),インスリン注射の方法は,CSII4名(21.1%), MDI 15名(78.9%)であった。リブレ使用中のグルコース値は,目標範囲内(70-180mg/dl)57.8%, 低血糖(70mg/dl未満)2.8 %,高血糖(181mg/dl以上)39.8%であった。リブレ使用前後のHbA1c値は,使用前7.6%,使用後7.7%と有意差はみられなかった。糖尿病セルフケア尺度の総得点は,介入前98点,介入後102点と得点の上昇が見られたが,有意差はみられなかった。下位尺度の「食事の量・バランスと血糖コントロール」得点が,介入前10点から介入後14点と有意に上昇した(Z=-3.432,p=0.001)。リブレの活用は,血糖コントロールに関するセルフケア行動の上昇や低血糖の予防に効果があることが示された。
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