研究課題/領域番号 |
19K11007
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研究機関 | 千葉県立保健医療大学 |
研究代表者 |
中山 静和 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 助教 (30728051)
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研究分担者 |
石川 紀子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 講師 (70312965)
西野 郁子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 教授 (80279835)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 気になる子ども / 保育施設 / 発達支援 |
研究実績の概要 |
本研究は、既存の発達障害児向けの支援プログラムのエビデンス及び効果について検討するとともに、保育者の「気になる子ども」への対応の現状及び課題について明らかにすることを目的としている。 2年目である2020度は、先行研究および昨年度に実施した文献検討の結果をもとに、保育施設に勤務する保育士を対象とした面接調査のための面接ガイドを作成した。面接ガイドの作成にあたっては、保育士による「気になる子」の行動面への認識および実際の支援内容、他の園児や保育士、保護者との関わり、保育士自身が課題としていることに関する項目とした。また、「気になる子」が示す行動や様子が発達障害児の特徴と類似していることから、自閉スペクトラム症向けの早期介入デンバーモデルのチェックリスト項目を柱とした質問内容となるよう検討した。 面接調査の実施に向けた研究計画書を、研究者の所属機関の研究倫理審査委員会へ申請し、承認を得た。 保育施設に勤務する保育士8名に対し、面接調査を実施した。対象者が語った「気になる子ども」は、1~3歳児が多く、入所の時点から気になる行動が見られている子場合も多く、遊びや食事、睡眠などの日常生活行動場面においても強いこだわり行動が見られていた。そのため、保育職員間で情報共有しながら検討し、外部研修で得た知識なども活用し、継続的に対応している姿が語られた。特に集団から離れてしまうことや、身体の危険を伴う行動に対しては、「気になる子ども」自身への対応だけでなく、各施設の設備に応じた対策を講じるなど、環境調整が図られていることが語られた。食事面では決まった食材のみの摂取といったこだわりに対して、無理強いせず、食べられるものを提供する柔軟な対応をしていることが語られた。さらに今回語られた「気になる子ども」は、幼児後期になると前述のような行動が減少していくと捉えていることが語られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度は、保育施設に勤務する保育士への面接調査を完了する計画であったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、保育施設における対面での面接調査の実施までに時間を要した。対面での面接調査が難しいとの意向があった施設においては、遠隔システムでの面接調査を実施した。遠隔システムに対応する設備が十分でないとする保育施設もあり、予定している対象数の6割の面接調査が終了した段階である。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスの感染拡大状況を踏まえながら、予定していた保育施設での面接調査を進めていく。しかし、保育施設側が新型コロナウイルスの感染拡大の状況を踏まえて面接調査の受け入れ困難と判断した際には、新たな保育施設への研究依頼を進めていくことを考えている。併せて調査した内容の分析を進め、「気になる子ども」に対する発達支援に向けたプログラムの枠組みについて検討を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、学会参加や面接調査に伴う諸経費が使用計画に沿って使用することが出来なかった。2021年度は、遠隔システムを用いた調査等が継続することに伴い、調査に必要な物品やパソコン環境の整備に使用する。また、調査内容の分析作業及び、研究結果の公表に関連する費用として使用する予定である。
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