研究課題
基盤研究(C)
産後1か月の母親における手指・手首の痛みと家事・育児の状況を調査した。回答者27名中4名は妊娠8~10か月頃から痛みが生じ、産後1か月まで継続していた。9名は出産入院からの退院後に痛みを生じており、その内4名は産後1か月まで痛みが継続していた。家事負担や児の体重増加量と痛みの有無には有意差が認められず、痛みの発症に関与する家事・育児の状況については十分明らかにならなかった。発症時期の違いを考慮した介入や発症予防策を検討する必要がある。
母性看護学
本研究では、産後1か月の母親における手指・手首の痛みについて、妊娠末期に痛みが生じた者では産後1か月まで痛みが継続していたことが明らかになった。これまで産後の手指・手首の使いすぎによる痛みに焦点を当てていたが、妊娠期から長期にわたり痛みを有する母親が一定数おり、使いすぎに起因しない手指・手首の痛みについても効果的な対応策を検討する必要性が示唆された。産後の不快症状を軽減できれば、母親が快適に育児生活を送ることへの一助となるだろう。