研究課題/領域番号 |
19K11017
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研究機関 | 駒沢女子大学 |
研究代表者 |
松尾 真規子 駒沢女子大学, 看護学部, 講師 (10301706)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 親子関係 / 内省機能 / 虐待予防 |
研究実績の概要 |
これまで本研究費を用いて、保健師及び保健師の家庭訪問を受けた養育者を対象に半構成的インタビューを行い、養育者が受けとめた保健師の言動と、養育者が受け入れやすいように保健師が配慮している言動をまとめた。それをもとに作成した尺度を用いて、養育者が受けとめた保健師の言動と、その後の保健師に対する援助要請との関連についての調査を行った。これらの研究成果が、2021年度、学術誌(「母性衛生62巻4号」)に掲載された。この研究結果から、保健師が肯定的フィードバック介入を行っても、その後の援助要請が促進されず、むしろ遠慮を高めてしまう養育者の群があることがわかった。そのため、そういった養育者も受け入れられるような支援を検討することが必要であることが示唆された。今後、介入方法を検討していくが、まずはその評価のための準備を2021年度に行った。一つは、前年度、原著者であるPatrick Luyten(Leuven大学)の承諾を得て日本語訳した、養育者の内省機能を測定する尺度(PRFQ: Parental reflective functioning Questionnaire)について、原著者と複数回のメールにて協議し、妥当性検証のための研究に使用する尺度を決定した。2022年度は、これをもとに、本尺度の妥当性検証のための調査に取り組む予定である。もう一つは、観察による親子関係の評価方法(AMBIANCE-Brief)について、カルガリー大学のSheri Madigan講師より、オンラインにて研修を受講し、信頼性テストに合格した。今後、開発した介入を実施し、その効果検証の際にこの評価方法を用いる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
養育者の内省機能を測定する尺度の原著者とのやりとりに時間を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
養育者の援助要請に関して、養育者の特性との関連についてさらなる調査を実施する。 また、養育者の内省機能を測定する尺度の日本語版の妥当性検証を行う。 養育者支援のためのプログラムを開発し、パイロット研究を実施したのち、評価を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
翻訳した尺度の妥当性検証のための尺度決定についての原著者とのやりとりに時間を要したため、妥当性検証の調査ができなかった。次年度に実施する予定である。
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