低出生体重児の発達障害の予防と改善、親の育児と成長の支援が重要な課題である。本研究は、低出生体重児の成長発達と発達障害の予防、親の育児と成長を支援する、出生から家庭育児までの縦断的な「育児支援プログラム」を基に、支援に関わる専門職者の教育カリキュラムとして体系化した「教育支援モデル」を開発し、それを専門職者に提供することで、子どもの成長発達と親の育児、支援者の資質向上の好循環システムを構築することを目標としている。2019年度(令和元年度)から2022年度(令和4年度)には、Brazeltonらによるタッチポイントモデル、NBO(NewbornBehavioral Observation)システムによる親子の関係性支援モデル、DCの包括的な教育プログラムである「新生児個別的発達ケアと評価プログラム;NIDCAP(Newborn Individualized Developmental Care & Assessment Program)」を基にした「育児支援プログラム」を開発し、研究協力組織である「日本ディベロップメンタルケア(DC)研究会」などと協力して、支援する関係専門職者に対し「教育支援モデル」を提供し、またテキストの刊行した。2023年度は、その成果をNBAS/NBOイントロダクションセミナー(5月21日)、第59回日本周産期新生児医学会ワークショップ(7月9日)、18TH WAIMH WORLD CONGRESS in Dublinで開催されたNBAS/NBO International Network Meeting(7月13‐14日)、第25回デイベロップメンタルケア・セミナー(10月2-29日)等で報告・発表した。これからを通して、本研究課題の目標である子どもの成長発達と親の育児支援と成長、支援者の資質向上の好循環システムの構築につながることが期待される。
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