研究課題/領域番号 |
19K11030
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
高橋 由紀 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 准教授 (80346478)
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研究分担者 |
玉腰 浩司 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (30262900)
奈良間 美保 京都橘大学, 看護学部, 教授 (40207923)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 母親役割獲得過程 / 会陰部痛 / 身体部痛 / 抑うつ / Bonding / 育児ストレス |
研究実績の概要 |
本研究は、正期産で出産する妊娠分娩経過が健康的な母子を対象として、産後の母親の自信構築に関連すると思われる身体状態の変化、心理的変化、社会背景との関連を縦断的に調査し、母親の抑うつを予防しうる周産期ケアの変容につなげる基礎的な研究である。また育児不安やストレス、虐待といった子育てに起因する社会問題が断ち切れない昨今、産後1か月までの母親役割の自信がその後の育児期のストレス対処能力とどのように関連しているのか、上記背景を踏まえて記述的に明らかにすることを目的としている。 科研1年目の本年度は、本研究計画を名古屋大学生命倫理委員会へ提出し、承認を得た。調査協力施設は、産婦人科院2施設及び県内にある助産所3件より内諾を得た。 データ収集は、1月より研究補助者を雇用し開始している。3月までに、研究参加者については、リクルート106名を行い、研究参加者100名となった。回収率は、入院中89%、産後2週間81%、産後1か月72%と比較的高い回収率を保っている。対象者の背景については、新型コロナウイルス感染対策から、病院への訪問が困難となり、情勢が落ち着いてから、研究補助者とともに収集を予定している。回収された質問紙の結果から、妊娠10ヶ月において上位の身体部痛は、腰痛(71.0%)肩こり(53.0%)であり、マイナートラブルとして、息切れ(21.0%)・浮腫(20.0%)・便秘(17.0%)・動悸(13.0%)の順であった。 2年目となる次年度については、引き続きデータ収集を継続していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究1年目であり、研究倫理の申請やデータ収集に予定通り着手できたため。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、継続してデータ収集を行う予定である。 新型コロナウイルス感染対策、緊急事態宣言の動向を踏まえて、可能な限り研究協力者の安全と病院スタッフ、調査者の健康を脅かさない形での再開を行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス流行に伴い、予定していた学会発表に関する旅費や参加費などの支払いがなくなったこと、また調査が休止となったため、当該年度に予定していた予算を執行できなかった。 次年度においても旅費に関する支出は減じる見込みとなるが、これまでの調査で収集した内容の整理、調査再開以降の人件費などの支出が多くなる見込みである。得られた成果については順次国際関連雑誌への投稿を予定しているため、校閲費用などの支出が見込まれる。 また、次年度以降、遅れていた本研究に関するHPを立ち上げ、広く研究内容の理解や結果の普及に役立てる準備がほとんど整ってきている。
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