研究実績の概要 |
2021年度においても、COVID-19感染対策上、研究協力施設におけるデータ収集はできなかった。そのため、昨年度から継続して、既に収集を終えたデータを用いて解析を継続した。 初産婦92名、経産婦92名を解析対象とし、産後の会陰部痛に関連する要因について、多変量解析を実施した。 産後1日目の会陰部痛は初産婦が経産婦に比して強く自覚されていた(P<0.01)。 次に、多変量解析による産後一日目に関連する要因について、対象者の非妊時BMIに基づく妊娠全期の体重増加量を日本人の推奨体重増加量別(below, within, and above)に分類を行い、解析を行った。この解析方法が、本研究の独創性として位置付けている。その結果、初産婦においては、妊娠期における推奨範囲以上の体重増加(β=16.74, Cl;3.91-29.58, standardised Coefficient β=0.29)、腟壁裂傷あり(β=15.0, Cl;2.40-27.61, standardised Coefficient β=0.24)で、母親の年齢や会陰切開の有無、会陰裂傷の程度、子どもの出生体重を調整しても、互いに独立して会陰部痛と有意な関連を示した。 経産婦においては、妊娠期間の体重増加量は初産婦のように関連は示さず、分娩回数(β=-10.82, Cl;1-19.55- -2.08, standardised Coefficient β=-0.26)、会陰裂傷の程度(β=11.80, Cl;0.06-23.55, standardised Coefficient β=0.22)で、会陰切開の有無、腟壁裂傷の有無、子どもの出生体重を調整しても、互いに独立して会陰部痛と有意な関連を示した。 これらの結果が、本研究の新規性であり、論文掲載まで公表を控えたい箇所でもある。
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