研究課題/領域番号 |
19K11033
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
村上 京子 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (10294662)
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研究分担者 |
伊東 美佐江 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00335754)
沓脱 小枝子 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (50513785)
飯田 加寿子 山口大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (40403399)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 遺伝看護 / 高年妊娠 / 家族 / 看護教育 / 意思決定 / 遺伝 |
研究実績の概要 |
遺伝医療の進歩に伴い、出生前診断の機会は増加しているが、女性とそのパートナーは依然として十分な説明を受けた上での選択ができていない現状がある。検査や治療の傍らにあって患者・家族の生活を把握し、意思決定を支援する役割を持つ看護職の役割は大きい。 まず、高年妊婦の出生前検査に対する認識と情報選択、意思決定プロセスを知るため、2施設において質問紙調査を行った。その結果、出生前検査に関する情報を約6割が得ており、主な情報源はインターネットであった。NIPTや羊水検査の受検は22%、最初から受検を希望しなかった者は25%、検査の情報を持たなかった者は12%あった。医療者には妊婦の思いを聴きながら正確な情報提供が期待されることが判った。 さらに、看護職者を対象とした遺伝看護学教育について検討した。「遺伝看護初学者を対象とした看護教育プログラム」として染色体異常に特化したプログラムを作成し、3か所で実施・評価を行った。参加者の9割以上は基礎となる遺伝学の知識を理解できたと回答したにもかかわらず、実践に関する自信の度合いは低かった。一方、リフレクションにおいて、家族の心理的支援、家族の意思決定、保護とプライバシーに対するニーズが認識されており、これらの課題に対する理解が大きく変化していることが示唆された。単発のセミナーでは不十分であることが示唆されたが、本研究の成果は、看護学生や看護師のための遺伝看護学の教材開発に役立つものと思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
文献調査に時間がかかり、研究計画と倫理審査の提出が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
遺伝医療に関する家族の意思決定について、医療者、およびクライエントを対象とした面接調査、および参与観察を予定していたが、新型コロナウイルス感染予防のため、調査が遅れることが予測される。 海外、および国内の文献調査を改めて実施し、調査内容を厳選してオンライン調査、Webによる教材の開発などを検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスのため、予定していたセミナー開催が中止となったため、次年度の旅費として使用の予定である。
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