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2021 年度 実施状況報告書

小児1型糖尿病患者と家族の成人型医療への円滑な移行を促進するガイドラインの開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K11034
研究機関愛媛大学

研究代表者

野本 美佳  愛媛大学, 医学系研究科, 助教 (90830901)

研究分担者 薬師神 裕子  愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (10335903)
中村 慶子  横浜創英大学, 看護学部, 教授 (40263925)
濱田 淳平  愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (80637900)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード思春期・青年期1型糖尿病患者 / 郵送による調査の完了 / 回収率42.9% / ガイドライン
研究実績の概要

本研究における2021年度の研究成果は、計5県の12~20歳までの小児1型糖尿病患者とその保護者を対象に、成人型医療への移行のプロセス(トランジション)における準備状態(レディネス)と保護者の認識に関する無記名自記式質問紙調査を完了し、調査結果の分析を行い、ガイドライン作成を進めたことである。
小児糖尿病キャンプで質問紙調査を実施する予定であったが、2021年度も現地開催を断念することとなったため、5県の小児糖尿病家族会会長に研究の趣旨を説明した依頼文書を郵送し、同意を得た後、小児糖尿病家族会事務局に対象者分の質問紙一式を送付した。対象者への質問紙配布方法は、各小児糖尿病家族会事務局と相談し、手渡しもしくは郵送とし、調査を進めた。
計182組の患者と保護者を対象とし、患者からは78名(回収率42.9%)、保護者からは81名(回収率44.5%)の回答が得られた。このうち、12歳だが小学生であった5名と、回答に不備のあった3名を除外した70名の患者の回答の分析を行った(有効解答率89.7%)。現在、分析の続きと患者の結果の論文化を進めている段階である。
結果の分析と合わせて、ガイドラインの作成を進めた。作成中の内容(移行の必要性と移行の準備状況についての質問表の説明、移行の準備についての具体的な説明、患者が移行について質問したい内容や心配事を直接記入できるページ)に加えて、内科通院中の患者と家族から得た「成人内科に転科してよかったこと及び必要な準備」を「先輩からのアドバイス」として作成中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

本来、質問紙調査を行い、ガイドラインを開発した上で、そのガイドラインの有効性の評価まで実施することを計画していたが、ガイドラインの開発が完了していないことから、進捗状況は遅れている。

以下に詳細を述べる。
新型コロナウイルス感染症拡大によるキャンプの現地開催中止によって、現地での質問紙調査が実施できず、本来の計画から1年半遅れての調査開始となった。また、質問紙調査の方法をそれぞれの県と調整し、主に郵送の形で進めたが、郵送方法は小児糖尿病家族会の手間を取るため、内諾を得ていても結局調査を実施できなかった県もあった。さらに、郵送の場合、家族会から対象者に発送し、その後対象者から返送してもらうというように回答回収までに時間もかかった。これらのことから、調査の完了が遅れ、ガイドライン開発までまだ至っておらず、進捗状況は遅れている。

今後の研究の推進方策

現在調査が完了し、患者の回答結果をもとに、小児科通院中の患者と成人内科通院中の患者のレディネスを比較し、レディネスに関係する要因を明らかにするための分析を行い、論文化を進めている。論文化を今年度中に完了させ、結果の公表ができるようにする。
また、調査が完了したため、結果を踏まえて、ガイドラインの作成と修正を行い、ガイドラインの開発を完了させる。項目は、①移行の必要性と準備に関する具体的な説明、②移行について患者と保護者が不安に思っている内容に対する回答、③先輩からのアドバイス、そして④患者が質問したい内容や心配事を記入できるページ等を盛り込む。完成したガイドラインに関しては、有権者からの意見を踏まえて改良していく。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症に伴い、研究の進捗状況が遅れ、本来であればガイドラインの製本及びガイドラインを用いた有効性評価のための介入調査を行う予定であったものが、昨年度までに行えなかった。それにより、製本費及び介入対象者への謝金の費用を使用しなかった。また、研究成果発表のための旅費を経費としてあげていたが、まだ研究成果の発表に辿り着いておらず、その旅費を使用しなかった。これらのことから次年度使用額が生じた。
次年度使用計画を以下に記載する。
①分析のための統計ソフトSPSS(Amos)、②分析および論文作成のためのデスクトップパソコンとモニター、③分析結果および作成論文を印刷し確認するのためのカラーレーザープリンタとプリンタートナー、④論文ガイドライン製本費、⑤研究成果発表旅費、⑥論文英文翻訳、⑦研究成果投稿費、⑧研究分担者への分担金
上記を計画している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 思春期・青年期糖尿病患者の成人型医療へのトランジションにおけるレディネスの実際 子どもと保護者の現状2021

    • 著者名/発表者名
      野本美佳、薬師神裕子、濱田淳平
    • 雑誌名

      小児看護

      巻: 44(10) ページ: 1310-1316

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公開日: 2022-12-28  

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