研究課題/領域番号 |
19K11041
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研究機関 | 高知県立大学 |
研究代表者 |
中井 美喜子 高知県立大学, 看護学部, 助教 (80827634)
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研究分担者 |
瓜生 浩子 高知県立大学, 看護学部, 教授 (00364133)
長戸 和子 高知県立大学, 看護学部, 教授 (30210107)
森下 幸子 高知県立大学, 看護学部, 准教授 (40712279)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ヘルスケア機能 / 家族 / 人工呼吸器 |
研究実績の概要 |
本研究は、人工呼吸器を装着しながら地域で生活している児と家族に焦点をあて、療養生活を安定させるために家族が発揮しているヘルスケア機能を明らかにし家族のヘルスケア機能を増進させるためのケアガイドラインを開発することを目的とした。研究目標として5つをあげていたが、インタビューガイドの洗練化に時間を要したこと、新型コロナウイルス感染症の流行によりインタビュー調査の方法を変更したことにより計画通りに進めることができなかった。 研究目標の一つである「人工呼吸器を装着した児とともに生活する家族が抱える困難と発揮しているヘルスケア機能の内容を明らかにする」ために11ケースの家族を対象にリモートでインタビュー調査を実施した。 自宅での平均療養期間は3年であり、家族は人工呼吸器を装着しているからこそ呼吸状態に最新の注意を払っていた。その中で繰り返す症状の悪化や入退院の経験を通して、家族なりの症状の見極めや受診や救急車を呼ぶ救助行動に移すまでの見極めるためのラインを持ち、経験値に基づいたその子なりの換気量やSPO2の値や痰の色の変化、呼吸器の蛇管に触れた時の感触などのヘルスケアの視点を持っていることが明らかになった。また、家族は24時間の絶え間ない介護を行うために、両親どちらかに負担をかけることなく介護を調整し、それぞれが身体を休ませる時間を確保したり、祖父母の協力を得ながら介護を継続させていることも明らかになった。介護を継続させるために家族は、身体だけでなく心の安寧も必要であることを経験の中で痛感し、訪問看護師や同じ人工呼吸器を装着した子どもを持つ家族とのつながりを作ったり、患者会に参加したりするなど頼れる存在を作ることも行っていることが分かった。さらに分析を進め、家族が発揮しているヘルスケア機能を明らかにしていく予定である。
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