研究課題/領域番号 |
19K11049
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研究機関 | 東京医療学院大学 |
研究代表者 |
渡邊 淳子 東京医療学院大学, 保健医療学部, 教授 (30539549)
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研究分担者 |
齋藤 益子 東京医療保健大学, 看護学部, 教授 (30289962)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 助産師外来 / 実践力 / e-ラーニング / リフレクション / ルーブリック |
研究実績の概要 |
研究の目的は、助産師外来担当者の実践力向上を目指したe-ラーニング教育プログラムの構築とその評価である。1年目である今年度は、教育方法として助産師外来用ルーブリックとGibbsによって提唱されたリフレクティブサイクルを用いた実践の振り返りを行う教育プログラム内容を検討した。そのうえでこれらを活用した教育プログラムの評価として、妊婦および褥婦を対象とした精神的健康状態と健康関連の生活の質に関する調査を実施するための文献検討を実施し、質問紙調査での調査項目の検討を行った。 加えて、助産師の実践力向上の教育方法に関する視点を得るために視察を行った。視察場所は、助産師教育がダイレクトエントリーコースであり、Lead Maternity Care(マタニティ・ケア責任者: LMC)制度を導入しているニュージーランドである。現地では、助産師が主体的に活動しているBirthcare Auckland、Auckland Hospital、Mama maternity、Family planning clinicを視察し、現地の助産師と意見交換を実施した。さらにオークランド工科大学の助産学部の教員との教育・研究に関する懇談会を実施した。 ニュージーランドでは、助産師は「妊娠から 産後6週間、継続して母子をケアしてくれる専門職である」と認識されており、妊産婦が自分でLMCを選択し、女性の主体性が活かされていた。My助産師として妊娠期・分娩期・産褥期には女性とその家族からの信頼を得ていた。 視察から得た内容をもとに、女性とその家族との関係性を形成できる能力の向上方法を検討し、コミュニケーション能力および助産師としての自律性の育成を重視したe-ラーニングコンテンツの検討を行っているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
妊婦及び褥婦を対象とした精神的健康状態調査および健康関連の生活の質に関する質問紙調査を実施する段階になったときに、国内でCOVID-19による感染が拡大した。院内感染が懸念されたため、医療機関への立ち入りの許可が下りず、妊婦および褥婦への調査が実施できなかった。今後は、感染拡大状況を確認しながら、調査方法を再検討し、調査協力医療機関と調整を図り進める予定である。
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今後の研究の推進方策 |
現在、医療機関においては、COVID-19の感染拡大を予防するため、妊婦健康診査では家族の同行は認めていないこと、出産時の家族の立会い分娩ができない状況であり、出産前教育の両親学級もウエブサイトのみで実施している施設が多い状況である。 本研究を計画した段階と、現状況では、妊婦の置かれている環境が異なっている。この状況下での妊婦の精神的健康状態および健康関連の生活の質に関する調査を実施することは、当初の研究目的とは異なるため、調査内容の妥当性を検討する。 e-ラーニングのコンテンツに関しては、妊婦の精神的健康状態を踏まえた内容とするために、妊婦の置かれている現状を把握したうえで検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた妊婦および褥婦に対する質問紙調査が、COVID-19の感染拡大によって実施できなかった。また、COVID-19の感染拡大によって、学術集会の開催が中止されたため、計画した予算が執行できなかった。次年度は、調査内容および調査方法を再検討し、調査を実施する。
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