研究課題/領域番号 |
19K11055
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
森 浩美 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (40532205)
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研究分担者 |
矢田 しずえ 旭川医科大学, 医学部, 助教 (70865443)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 終末期 / 子ども / 家族 / 在宅療養 / 訪問看護 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は終末期を在宅で療養する子どもと家族を担当する訪問看護師の看護実践を明らかにし、終末期を在宅で療養する子どもと家族の看護を同定することである。 わが国は看取りの場所を病院から在宅へと転換する政策を打ち出している。終末期にある子どもにとって自宅で家族に囲まれながら暮らす時間はかけがえのないものである。一方の親にとってもわが子と暮らす時間はかけがえのないものである。しかし、幼くして亡くなるわが子の死は受け入れ難く、在宅への移行がわが子の命を諦めることにつながり兼ねない。子どもと家族の残された時間が有意義なものとなるように、終末期にある子どもの在宅療養の可能性を広げ、親に提示できるようにする必要があると考えた。 令和3年度は、令和2年度に訪問看護師5名を対象に実施した面接調査の分析を行った。その結果、子どもの看護については4つのカテゴリーで構成され、それは「実践する終末期看護のはがゆさ」「いろんな感情が沸き起こり強まる子どもへの結びつき」などであった。親への看護は6つのカテゴリーで構成され、それは「親と話し子どもを亡くす親の悲しみを理解する」「子どもと親の残り少ない時間を大事にする」などであった。訪問看護師は終末期にある子どもと家族を特別視することなく、家族による介護を主体としていた。そして、子どもと家族への結びつきを強めながら、敬意をもって看護していたことが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症に伴う授業内容の変更などの対応に追われる時間が増え、研究に取り組む時間が減ってしまった。また、終末期を在宅で療養した子どもを亡くした親への調査を実施する予定であったが、対象者の確保が難しかった。以上の2点から、本研究の進捗状況は遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
遺族への調査を令和4年度も引き続き模索する。しかし、困難と判断した場合は生命の危機的状況にある子ども(超重症児や先天性異常など)を在宅で育てている親を対象とした研究に変更し、実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
成果発表の機会として学術集会への参加費2名分を計上していたが、参加した学術集会がオンライン開催となり助成金を使用できなかった。 令和4年度は遺族、もしくは生命の危機的状況にある子ども(超重症児や先天性異常など)を在宅で育てている親を対象に面接調査を行い、成果を発表する予定である。残高は対象者への謝金と成果発表のための学会参加費・旅費に使用する。
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