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2021 年度 実施状況報告書

産後の母親の健康および円滑な職場復帰支援を目的とした包括的支援プログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K11057
研究機関浜松医科大学

研究代表者

渡井 いずみ  浜松医科大学, 医学部, 教授 (20509830)

研究分担者 入山 茂美  名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (70432979)
加藤 容子  椙山女学園大学, 人間関係学部, 教授 (80362218)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード育児休職中 / 母乳栄養の意識 / 産後女性の健康向上 / 復職支援 / 教育プログラムの開発 / 自治体が提供する支援の実態把握
研究実績の概要

1. 全国自治体を対象とした調査
全国の保健所設置市における保健所、保健センター、本庁281箇所の母子保健課宛に調査票を郵送した。調査項目は、(1)自治体の属性(所在エリア、地方公共団体の区分)、(2)COVID-19流行前後における産後女性を対象とした保健事業の実施状況(情報提供の状況・方法・形態、事業担当者の職種、事業対象者および条件設定、実施回数、開催日時の設定、開催実績、参加人数、情報提供)である。24市から回答が得られた(回収率8.2%)。 産後の母親を対象とした支援としては母親の健康支援6件、健康支援+職場復帰支援14件であり、感染症流行による増減はなかった。情報提供の方法は、流行前は資料や動画配信等による情報提供が31件、対面講座等が7件であり、感染症流行により動画配信やオンライン利用による支援が増加していた。情報提供の対象は、希望者が最も多かった。特に職場復帰支援は個別相談での対応であることが示された。支援の形態としては、行政の直営事業8件、子育て支援事業担当等との共催3件、民間共催2件、業務委託2件など多様であり、感染症流行前後の差はほとんどなかった。本調査の限界として回収率が極端に低かったこと、母子保健担当部署以外の意見が充分に反映されていない可能性があると考えられた。
2. 産後女性向け教育コンテンツの作成
産後女性向けの教育コンテンツとして、感染症流行下でも受講しやすいe-learning教材を開発した。①母親の健康支援プログラム(母乳栄養支援、身体回復、生活リズムを整える)、②育児支援サービスの(行政が提供するサービス、保育園入園に向けた準備等)の情報提供プログラム、③職場復帰支援のノウハウ(育休、夫婦のワークライフバランス、ストレス対処、ライフキャリア)プログラムの3分野の構成とした。動画や共通のイラストを組み入れた修正版を作成中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

1. 全国の自治体を対象とした調査
保健所設置市の母子保健担当者宛に調査票を郵送したが、回収率が極端に低く充分な解析が困難であった。各自治体において感染症流行対策が優先され、本調査への対応に手が回らなかった可能性がある。そのため、ヒアリングを追加して、実態をより具体的に把握する必要がある。
2. 教育コンテンツの作成
COVID-19流行に伴い、多くの自治体で集合形式の健康教室が中止となった。そのため、本研究の当初に計画していた対面式の教育プログラムから、オンラインで受講可能なe-learning教材の開発に変更し、さらに介入方法等について協力自治体と計画変更のための調整に時間を要した。

今後の研究の推進方策

1. ヒアリング調査
産後の母親向けの健康支援や職場復帰支援を実施している自治体またはNPO法人を通じて、本研究の介入対象となる母親へのインタビュー調査を実施する。COVID-19流行下で出産・子育てする母親が求める、職場復帰に向けた行政および産科医療機関からの支援を明らかにして、必要な要素は教材の内容に追加する。
2. 作成したe-learning教材の効果検証
自治体および子育て支援を行うNPO法人の協力を得て、育児休職中の母親を対象に、開発したe-learning教材を提供し、その効果を検証する。母親の健康支援・育児支援プログラム提供群と、復帰支援プログラムを付加群について、1年後の職場復帰率や復帰後のストレスに差があるかを検討する。

次年度使用額が生じた理由

COVID-19流行下のため研究全体が遅延しており、研究期間を1年延長することとした。また、情報収集や研究成果発表を予定していた学会がすべてオンライン実施となり、学会参加にかかる費用が削減されている。
2022年度は、自治体や子育て支援に関係するNPO法人等の協力を得て2021年度に作成した教育プログラムの効果検証(介入研究)を実施する。現在、未使用の研究費は新たに追加するインタビュー調査、E-learning教材のブラッシュアップ(動画やイラストの追加)と介入研究前後のアンケート調査・解析、用いる予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 図書 (3件)

  • [学会発表] Do pregnant woman workers participate in childbirth class in Japan?2021

    • 著者名/発表者名
      Izumi Watai, Haruno Uchiyama, Etsuko Kajita
    • 学会等名
      6th Global Network of Public Health Nursing
    • 国際学会
  • [図書] ワーク・ライフ・バランス ~すぐに始められる! 家庭と仕事 両立のコツ~2021

    • 著者名/発表者名
      加藤容子,島津明人,高橋美保,藤原武男,渡井いずみ
    • 総ページ数
      12
    • 出版者
      日本家族計画協会
  • [図書] 保健学講座2 公衆衛生看護支援技術2021

    • 著者名/発表者名
      岸恵美子,平野かよ子,村嶋幸代 (編) 岸恵美子,渡井いずみ,村山洋史,大木幸子,加藤昌代,川崎涼子,加倉井さおり,蔭山正子,望月由紀子,平野かよ子,木添茂子,田口敦子,吉岡京子,永江尚美
    • 総ページ数
      322
    • 出版者
      メヂカルフレンド
    • ISBN
      978-4-8392-2189-8
  • [図書] 保健学講座3 公衆衛生看護活動展開論2021

    • 著者名/発表者名
      岸恵美子 村嶋幸代 (編), 西嶋真理子, 都築千景, 有本梓, 表志津子, 田髙悦子, 蔭山正子, 矢島正栄, 川村佐和子, 小倉朗子, 藤田美江, 平澤則子, 吉川悦子, 井口理, 永田容子, 福田英輝, 三森寧子, 渡井いずみ, 五十嵐千代
    • 総ページ数
      391
    • 出版者
      メヂカルフレンド
    • ISBN
      978-4-8392-2190-4

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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