研究課題/領域番号 |
19K11067
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
山本 真実 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (90710335)
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研究分担者 |
門間 晶子 名古屋市立大学, 大学院看護学研究科, 教授 (20224561)
浅野 みどり 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (30257604)
野村 直樹 名古屋市立大学, 大学院人間文化研究科, 教授 (80264745)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 子育て支援 / 対話 / 多声性 / 子育て世代包括支援センター / 継続支援 / 児童虐待予防 |
研究実績の概要 |
本研究は、子育て世代包括支援センターに代表される継続的子育て支援について、住民と専門家との対話という視点から検討するものである。対話における専門家のスタンス、役割、葛藤、大切にしていることについて、専門家への個別インタビューとグループインタビューを通じて明らかにし、実践を通した検討により、対話的子育て支援のための心構えガイド(仮)を作成することを目指している。 令和元年度は、第1調査として文献のレビューを行い、子育て支援における専門家と住民の関係性や専門家のスタンスについて整理し、子育て支援における対話に注目して課題を提案した。また第2調査として協働先市町村・子育て支援団体へのリクルートを行った。詳細は以下の通りである。 継続的な子育て支援について、国内研究の動向、親と専門家の対話のあり方、提案されている課題を明らかにするために文献レビューを行った。医中誌およびCiniiにて、「ネウボラ」「子育て世代包括支援センター」をキーワードに検索を行い、事例報告や会議録を除き、さらに専門家と家族の対話について記載のある21文献を抽出した。文献レビューの結果、研究として取り組まれた文献そのものが少ないこと、継続的な子育て支援では対話的(interactive・対等)であることが重要とされ、対話の本質に関する検討の必要性が提案されているものの、まだ検討がされていないことが明らかとなった。 第2調査として、所属大学研究倫理委員会より承認を得た。また市町村や子育て支援団体へのリクルートを行い、1市町村への研究説明と依頼を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研修会や学術集会への参加のため情報を集めていたが、COVID-19拡大防止対策により、研修会が中止・延期となり、対話に関する情報収集や体験的な学習が先延ばしとなっている。また、リクルート先として市町村や子育て支援団体に思うように出会えなかったこと、その後、市町村側のCOVID-19に関する業務の増大、研究者の来訪自粛により研究依頼が遅れた。協働先市町村や子育て支援団体に目処がつき、今後は進められる見通しである。
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今後の研究の推進方策 |
令和2年度は、令和元年度の計画であった市町村、子育て支援団体などへのリクルートを継続し、協働先を確保し、専門家(主に保健師)への個別インタビューを行う。その後、令和2年度の計画内容であった専門家への個別インタビューの分析、話し合いによる対話時の心構えの明文化を行い、専門家に実践を依頼する。 個別インタビューや話し合いの実施については、Web会議システムの利用など、方法を検討していく。また実践を行う子育て支援活動は、COVID-19拡大防止対策による保健事業の実施状況や、感染症対策下において生じる子育て支援のニーズ(児童虐待や子育て負担の増大など)などを考慮し、現状に合わせた機会を取り入れる。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和元年度は、リクルートと専門家への個別インタビューが遅れたため、物品費、旅費、人件費・謝金に残金が生じた。協働先の目処は立っており、遅れた計画内容は令和2年度に進められるため、残金は令和2年度に使用する。 またCOVID-19拡大防止対策により研修会の延期・中止、学術集会の開催方法の変更などがあり、旅費とその他に残金が生じた。令和2年度は、延期となっている研修会への参加、学術集会や研修会へのWebでの参加、感染症の動向に合わせた出張や訪問などを行い、対話に関する情報収集と体験的な学習の機会を確保する予定であり、令和2年度に使用する。
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