研究課題/領域番号 |
19K11069
|
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
松木 優子 (平谷優子) 大阪市立大学, 大学院看護学研究科, 教授 (60552750)
|
研究分担者 |
法橋 尚宏 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (60251229)
西元 康世 四天王寺大学, 看護学部, 講師 (60458015)
伊瀬 薫 大阪市立大学, 大学院看護学研究科, 特任助教 (30848726)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 尺度開発 / 病児 / 入院 / 家族機能 / 家族支援 |
研究実績の概要 |
本研究では,過去に蓄積された、入院中の病児をもつ家族の家族機能と家族支援に関する研究成果を臨地の看護師が活用できる実践方法として,入院中の病児をもつ家族に特化した家族機能・家族支援尺度を開発し,その有効性(信頼性・妥当性)を検証することを目的とした. この目的を達成するために,尺度開発の調査に先立ち,入院中の病児をもつ家族の家族機能を維持・向上するための家族支援に関する文献検討を行った.医中誌Webを利用して,「1959年以前」から「2019年」の原著論文を検索した.その結果,対象文献は8本で,これらを内容分析したところ,【家族と家族環境の関係の把握と調整】【家族が過ごしやすい病棟環境の整備】【ファミリーハウスの機能の拡充】などの10の家族支援が明らかになった.本研究結果は,日本小児看護学会第30回学術集会(日本,神戸)で発表予定である.現在,論文投稿し,査読中である. さらに,尺度開発の調査に先立ち,臨地の看護師が活用できる実践方法を十分に理解するために,小児看護実践における研究成果活用の現状と促進に対する看護師の認識を明らかにした.大学病院の小児病棟に勤務する看護師9名にFocus Group Interview (FGI) を実施し,ナラティブデータを分析したところ,研究成果活用の現状に対する認識として【研究成果を活用するための環境を整える余地がある】などの3カテゴリーが,促進に対する認識として【研究成果物の課題を改善する必要がある】などの2カテゴリーが明らかになった.本研究結果は,Transcultural Nursing Society Conference in Japan 2020(日本,京都)で発表予定である. これらの結果を加味し,尺度の作成を行った.その後,専門家会議を開催し,表面的妥当性の検討を行った.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2019年度は,文献検討と尺度の作成・表面的妥当性の検討を行うことを計画していたが,これらを実施できたため,概ね順調に進展していると評価した.
|
今後の研究の推進方策 |
2020年度は,調査を実施する予定である.ただし,新型コロナウイルス感染拡大を受け,病院から調査協力を得ることが難しい可能性が考えられる.その場合は,状況が整えば,調査が実施できるように準備を進めることや,2019年度に実施した2つの調査結果を公表できるよう,査読対応や論文執筆に取り組む予定である.
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大を受け,年度末に予定されていた学術集会が中止になり,計画通りに旅費が使用できなかった.また,感染拡大防止の観点から,研究補佐員への業務依頼を自粛したため,謝金が予定していた額よりも少ない結果となった.2019年度に依頼できなかった資料整理などの業務を2020年度に依頼する予定であり,そのための謝金や,成果発表のための国際学会にかかる費用が必要と考える.
|