研究課題/領域番号 |
19K11072
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
宮下 ルリ子 県立広島大学, 公私立大学の部局等(三原キャンパス), 准教授 (00453522)
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研究分担者 |
内藤 知佐子 京都大学, 医学研究科, 助教 (10405053)
船木 淳 神戸市看護大学, 看護学部, 講師 (80553312)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 助産シミュレーション学習 / 助産実践能力 / 助産教育 / 思考力・判断力 |
研究実績の概要 |
本研究は、思考力・判断力を兼ね備えた助産師の育成を目指し、アクティブラーニング(AL)型の様々なシミュレーションシナリオの体験を通して、助産実践能力の習得を可能とする助産師育成の基盤となるプログラムを開発することを目的としている。対象者は、助産師学生から卒後2年目までの助産師である。今年度は、プレテストとして、専攻科で学ぶ助産師学生を対象に、入学時から臨床実習前,臨床実習後,卒業時の3つの時期に、3場面(a:妊娠健康診査,b:分娩進行,c:産褥期と新生児)でシミュレーション学習を実施した。入学時~臨床実習前の学習目標は、周産期の場面イメージすること、円滑なコミュニケーションはかることで、学生間で知識や情報を共有することでコミュニケーションスキルの向上ができた。臨床実習後では、助産実習で実施した助産ケアを振り返ることを目的に、助産診断および助産ケアの実施計画の立案を行った。学生は、実習での体験も振り返りながら、明確な医学的根拠をもって助産診断や助産ケアの実施計画ができていた。卒業時は1年間の学習を統合するために、異常の早期発見および妊娠期から産褥期までの継続的な視点で専門職としての自立を目指す目的で実施した。助産師学生は、継続的に対象に関わることで、対象のニーズに沿った助産ケアの重要性を感じていた。学生が主体的に演習を実施することで、学生は積極的に意見を述べるだけでなく、互いの意見も傾聴するなど、仲間を大切にしながら能動的に演習に取り組む様子が見られていた。また、実習前に行う演習は、臨床場面のイメージ化を可能にし、瞬時に行動するための訓練に繋がっていた。さらに、学生は実習後の演習を通して助産ケアの根拠を明確にし、継続的な視点を忘れることなく対象のニーズに沿った助産ケアを展開できることが明らかになった。なお、県立広島大学研究倫理審査の承認を得ている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度、1年コースで学ぶ専攻科の助産師学生に対し、プレテストとして助産シミュレーション学習の実施が終了している。今後は、他の教育課程で学ぶ助産師学生および若手助産師に対し、実際に助産シミュレーション学習を実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度、COVID-19の影響により、例年とは異なる講義・演習・実習が推測されるため、学生の習熟状況や医療施設等の状況を確認しながら、研究の遂行が可能か判断していく。現時点で調査の実施は、夏以降に調査依頼等を開始する予定である。調査が無事終了の後、成果発表として、国内外の学術集会および論文投稿に着手する。
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次年度使用額が生じた理由 |
他の教育機関および医療施設において調査を実施するにあたり、旅費(移動費)、研究分担者・協力者との会議費・人件費、さらに調査対象者への謝金に使用する予定である。 途中経過として、国内外における学術集会での成果発表を計画しており、その旅費および参加費に充てる。
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