研究課題/領域番号 |
19K11073
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
永井 真寿美 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 助教 (50759793)
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研究分担者 |
田井 雅子 高知県立大学, 看護学部, 教授 (50381413)
嶋岡 暢希 高知県立大学, 看護学部, 准教授 (90305813)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | パーソナリティ障害 / 親になる過程への看護支援 / 精神疾患をもつ女性 / 妊娠・出産・育児への支援 / 母性看護 |
研究実績の概要 |
研究者らは先行研究にて、「精神障害をもつ女性の妊娠・出産・育児への看護支援ガイドライン」の作成に取り組み、12の看護支援を主軸に看護支援ガイドラインを開発した。看護者は、妊娠・出産・育児による生活の変化に備えて、丁寧に準備し、その家族に適した支援者ネットワークを作り出すために奔走していた。また、育児が加わり変化した生活に困難さを感じていないかを捉え、睡眠が確保できるよう育児体制を整える、女性の苦悩を受け止め、ともに考える、女性なりのペースで親になる過程を見守るといった看護支援を行っていた。時には、児の養育が難しくなる場合もあるため、看護者は児の安全確保を優先しながら、家族のかたちに合わせて親役割獲得・遂行を促していた。本研究では、このガイドラインに女性の体験特性を加えて、「親になるパーソナリティ障害をもつ女性への看護支援ガイドライン」の作成に取り組んでいる。 研究目標である、親になるパーソナリティ障害をもつ女性の体験特性と支援ニーズの抽出・看護者が行うパーソナリティ障害をもつ女性への妊娠・出産・育児への看護支援の明確化は、コロナ感染症流行拡大のため、女性・看護者双方に研究協力依頼が行えず、滞っている。そのため、手記・文献等を参考に、女性の体験特性・支援ニーズの抽出を行い、看護支援ガイドラインの作成を進めている。しかし、現時点では、先行研究で明らかとなった12の看護支援の枠に留まっている。より具体的に女性の体験に関するデータを得て、ガイドライン内容の検討と妥当性の検討を行う必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ感染症流行拡大、研究者の所属機関の変更のため、女性・看護者双方に研究協力依頼が中断したため、データ収集が滞っている。そのため、研究目標1・2である、親になるパーソナリティ障害をもつ女性の体験の特性と、女性への看護支援の明確化が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
親になるパーソナリティ障害をもつ女性のモデル事例を作成し、その事例への看護支援についてフォーカスグループインタビューを実施する予定である。この方法を用いることによって、親になるパーソナリティ障害をもつ女性への看護支援を行ったことはないが、様々な健康問題を抱えながら親になる女性に対し看護支援を行ったことのある看護者も研究協力候補者に含めることができ、研究協力者を増やしていくことができると考える。 パーソナリティ障害をもつ女性へのインタビューは、WEB会議システムを用いたインタビューは困難であると考える。そのため、感染予防対策に配慮しながら研究依頼を継続いていく。 こうして親になるパーソナリティ障害をもつ女性の体験特性や支援ニーズの抽出と、看護者が行う看護支援の明確化を、より詳細に実施し、女性の自我の脆弱性に応じた、「親になるパーソナリティ障害をもつ女性への看護支援ガイドライン」の作成を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ感染症拡大のため、研究依頼に赴くことができず、旅費・人件費等の支出が予定金額を下回った。今後、研究方法の見直しを行い、看護者を対象に実施するインタビュー調査はWEB会議システムを用いて実施するなどの工夫を行う。そのために、ノートパソコンの購入やモバイルWi-Fiの契約などを行い、研究継続のための環境整備を計画している。 パーソナリティ障害をもつ女性への研究依頼については、研究者の所属変更に伴い、可能となった医療機関を含め、対象とする医療機関を増やし確保に努める。
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