研究課題/領域番号 |
19K11076
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
鈴木 江利子 順天堂大学, 保健看護学部, 講師 (10805443)
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研究分担者 |
小川 典子 順天堂大学, 保健看護学部, 教授 (30621726)
藤尾 祐子 順天堂大学, 保健看護学部, 先任准教授 (60637106)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | コペアレンティング / 共同育児 / 障害児 / 親 / 在宅 |
研究実績の概要 |
障がい児の育児は、心身共に負担が大きく、日本の文化的背景により特に母親の負担が大きく、ストレスやうつ状態に陥りやすく、母親のQOLは、低下している。そのため、父親のサポートは、母親の心身の負担を軽減していた。しかし、筆者は障がい児の父親の体験について、研究した。その結果、父親もまた、障がいの告知からショックを受け、苦悩しながら、障害を持つ我が子を一人の人間として尊重し、自己成長していくことを明らかにした。そこで、一方の親だけでなく、親同士の共同育児の着眼した。共同育児が、障がい児の親の生活の質に関連していると考えた。研究目的を在宅であ障がい児を育てて理宇親の共同育児(コペアレンティング)と生活の質(QOL)の関連を明らかにすることとした。 第1研究として、健常児の親と障がい児の親に共同育児(コペアレンティング)と生活の質(QOL)のアンケート調査を実施し、比較検討した。障がい児の親と健常児のコペアレンティングとQOLの特徴と関連について明らかにした。そして、親の属性、就労状況、子供の属性としての障がいの有無、ソーシャルサポートの対象者、内容、サービスなどの変数を独立変数として決定木分析により、QOLとコペアレンティングとより関連している事柄について抽出した。 第2研究として、障がい児の親に共同育児と生活の質について、質的記述的研究により、生の語りから、第1研究における共同育児と生活の質について、第1研究にて得られた関連性が、実際どのように関連しているのかを検証することとした。出生時、入院時から在宅生活に移行する期間、在宅療養を支える看護職が、継続的に関わることから、その果たす役割は大きいと考えられるため、共同育児と生活の質の維持、向上のために必要な支援は何かを見出し、病棟看護師、NICU看護師、訪問看護師、保健師などの看護師同士の意見を確認してくことを目的としていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2019年10月、健常児の親370名を研究対象にオンラインアンケートを実施した。2020年4月、障がい児の親の会長の承諾を得られた障がい児の親のアンケート調査を実施した。コペアレンティング関係尺度と生活の質(QOL)につて障がい児の親と健常児の親と比較検討した。また、共同育児(コペアレンティング)のアウトカムとしての生活の質(QOL)に影響を及ぼす要因を明らかにするために従属変数を生活の質(QOL)とし、共同育児(コペアレンティング)、親や子供の属性、ソーシャルサポートなどの変数を独立変数として決定木分析をした。生活の質(QOL)に共同育児(コペアレンティング)が抽出された。影響因子が抽出されたが、コペアレンティングに関する先行研究が少なく、インタビューによる質的研究を用いた検証を行う予定であったが、コロナ禍における対面によるインタビュー調査に至るまで調整手段や方法が円滑に進まなかったこと、ZOOMによるインタビューの調整が難しかったことからインタビュー開始が遅延した。
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今後の研究の推進方策 |
障がい児の親の共同育児(コペアレンティング)と生活の質(QOL)の関連を質的に検証するために、13名のインタビューが終了し、コード化、カテゴリ化を進めている。 この研究結果を基に、出生時、入院時、在宅療養移行時、在宅療養時に関わる看護職者からアンケート調査を行い、支援内容の可視化を図る。
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次年度使用額が生じた理由 |
障がい児の親のインタビュー調査が遅れ、障がい児の支援を行う看護職への支援内容に関するインタビュー調査を行う。しかし、対面でのインタビューが難しいことから、パソコンによる通信手段の確保、新たなデータ処理、分析のための統計ソフト、データ保存用USB、インタビュー協力者の謝礼が必要となる。
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