研究課題/領域番号 |
19K11079
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研究機関 | 関西福祉科学大学 |
研究代表者 |
武田 要 関西福祉科学大学, 保健医療学部, 教授 (20458409)
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研究分担者 |
井村 真澄 日本赤十字看護大学, 看護学部, 教授 (30407621)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 母乳育児 / 筋電図 / 授乳動作 |
研究実績の概要 |
先行研究では、産後1か月での母乳育児継続率は母乳が不足ぎみであることや痛みを伴う乳房・乳頭トラブル、疲労や筋疲労性疼痛、子供の体重が増えないという理由により51.3%であったと報告されている。これら乳頭トラブルや疲労性疼痛は、適切な授乳姿勢、吸いつき方の支援により多くは改善するとされている。 本研究では、母親にとって身体負荷が軽減され、かつ、乳児にとってラッチ・オンしやすい授乳体幹角度を筋電計測と乳児の口腔内動態分析から定量評価することで科学的根拠に基づいた授乳姿勢の提案と母子の主体的な授乳選択を可能にすることである。昨年度の段階で、当初予定されていた口腔動態把握のための超音波計測が乳児の哺乳動作制限を伴うこととかなりの熟練度を要することが判明し、計測方法の変更を余儀なくされていたが、コロナ禍の落ち着いた3月上旬に授乳時での乳児の嚥下筋電計測を1ケース実施した。授乳動作時での筋電計測では、乳児の舌骨上筋群にワイヤレス筋電センサーを貼付することで授乳時に舌骨上筋のリズミカルな筋活動が各計測条件下で確認できた。 令和2年度においては、コロナ禍の影響により予定していた母乳相談を導入している各助産施設が府外ということとコロナ感染状況が不安定に変化していたため被験者の募集、計測が困難となっていた。 この結果より次年度からコロナ感染状況をみながら感染症対策の下で近隣からの被験者募集と筋電計測をベースにした授乳動作を計測する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和2年度においては、コロナ禍の影響により予定していた母乳相談を導入している各助産施設が府外ということとコロナ感染状況が不安定に変化していたため被験者の募集、計測が困難となった。
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今後の研究の推進方策 |
研究代表者が所属先を異動したことにより、再度被験者募集のための助産院、母乳相談室を確保するが、計測場所を研究代表者が所属する大学と助産院もしくは母乳相談室の2か所用意し、できるだけ近隣の被験者を募集する予定としている(埼玉県内)。またコロナ感染対策として、計測者を限定し、計測者は毎日の検温を行うこととし、計測者、被験者含め体調不良の際は計測を中止する。また計測室には消毒液を常備し、計測室までの経路も限定する。計測時には、計測者、被験者ともマスクを装着し、センサー貼付時にはディスポーサル手袋を装着して行うこととする。本年度において、1年延期も視野に入れて2か所の計測場所を用意し、50組の母子の計測を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の移動制限により、予定していた府外の計測が困難であったことと計測施設の使用に難色を示したことにより研究が1年間中断していた。来年度においては感染症対策をしながら研究代表者在籍大学近隣から被験者を集め、大学と近隣施設での計測を予定している。
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