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2020 年度 実施状況報告書

経穴刺激前後の自律神経活動の変化を指標としたつわり症状に有効な経穴の探索

研究課題

研究課題/領域番号 19K11081
研究機関秋田大学

研究代表者

篠原 ひとみ  秋田大学, 医学系研究科, 教授 (80319996)

研究分担者 兒玉 英也  秋田大学, 医学系研究科, 教授 (30195747)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードつわり症状 / 精神健康度 / 睡眠 / 自律神経活動 / 経穴刺激
研究実績の概要

本研究の目的は、1.つわり症状と精神健康度,睡眠および自律神経活動との関係を明らかにすること、2.つわり症状のある妊婦にセルフケアとして経穴刺激を実施してもらい、その効果を明らかにすることを目的とした。研究開始前に研究倫理委員会の承認を受け、つわり症状の経時的変化(7週から14週)を悪阻指数、INVRの2つの尺度を用いて測定した。また、7~10週、11~14週の2つの時点で、心拍変動解析による自律神経活動の評価、睡眠評価(PSQI)、精神健康度評価(GHQ28)を実施した。3月末までに42名の妊婦のデータ収集ができ、経穴刺激のセルフケアについては8名のデータを収集した。現在は経穴刺激をしていない妊婦の分析を行い、学会発表を目指している。
今年度は、対象者22名のデータを分析した結果を第61回日本母性衛生学会学術集会で発表し、論文を投稿した。その内容は、以下のとおりである。
1.対象の全例に何らかのつわり症状を認めた。2.悪阻指数並びにINVRは妊娠10週頃に最も高い値を示し、それ以降は緩やかに減少したが、変化には個体差が大きかった。3.妊娠7~10週と11~14週のGHQ28得点並びにPSQI得点に有意差はなかった。4.悪阻指数並びにINVRとGHQ28やPSQIとの間には有意な正の相関を認めた。5.心拍変動解析値は、妊娠7~10週から11~14週にかけてhigh frequency (HF) パワーが下降し,low frequency(LF) /HF比は有意に上昇した。妊娠11~14週時の悪阻指数並びにINVRはHF値と正の相関を認めた。結論として、つわり症状が強い対象ほど,精神健康度と睡眠の質が低下していたこと、つわり症状が強い対象では,副交感神経活動が亢進していることが示唆された。
今後もデータ収集を継続し、その結果を分析し、論文作成を目指す。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

データ収集が42名できたこと、2020年の母性衛生学会学術集会で発表したこと、秋田県母性衛生学会雑誌に論文が掲載されたことから「おおむね順調」と評価した。しかしながら、新型コロナの影響があり、予定よりもデータ収集が少ないこと、経穴刺激のデータ収集が少ないことが課題であり、本年度もデータ収集を継続する予定である。

今後の研究の推進方策

経穴刺激のデータ収集が少ないことから、本年度は経穴刺激のデータ、経穴刺激のない妊婦のデータ収集を継続して行う。現在までのデータを分析し学会発表を行う。また、2021年度末までには論文作成を行う。

次年度使用額が生じた理由

自律神経活動を測定する機械を2020年度に購入した。研究協力者が予定より少なく、協力者への謝礼額が少なかったこと、データ解析のための統計ソフト購入が不要であったこと(大学のソフトを利用できたため)、参加予定であった学会がすべてオンラインとなり、旅費が不要であったことなどから次年度使用額が生じた。
2021年度は、研究協力者への謝礼、新型コロナの状況にもよるが、共同研究者との打ち合わせの旅費(兵庫‐秋田間)、学会発表のための参加費や旅費、論文の翻訳に使用予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] つわり症状の経時的変化と精神健康度や睡眠および自律神経活動との関係2021

    • 著者名/発表者名
      田口可奈子、篠原ひとみ
    • 雑誌名

      秋田県母性衛生学会雑誌

      巻: 34 ページ: 8-13

    • 査読あり
  • [学会発表] つわり症状の変化と自律神経活動および睡眠、精神健康度との関係2020

    • 著者名/発表者名
      田口可奈子、篠原ひとみ
    • 学会等名
      第61回日本母性衛生学会

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公開日: 2021-12-27  

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