研究課題/領域番号 |
19K11098
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
寺田 由紀子 帝京大学, 医療技術学部, 助教 (40738019)
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研究分担者 |
吉沢 豊予子 東北大学, 医学系研究科, 教授 (80281252)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ダブルケア / 育児と介護 / ケアリングマスキュリニティ / 夫婦協働 / 男性の育児と介護 / 女性の就労継続 / 男性のセルフケア / ジェンダー平等 |
研究実績の概要 |
日本において少子高齢化社会が著しいスピードで進行している。将来の労働力となる子どもの出生数は減少の一途を辿り、女性の初産年齢も30歳を超え、この30年間で4歳も上昇しているとともに高齢出産と呼ばれる35歳以上の出産数は増加している。女性の出産年齢の高齢化は、自身の親世代が高齢者の世代に差し掛かり、育児と介護の両立が求められる可能性があることを示唆している。晩婚化と出産年齢の高齢化によって、親の介護と乳幼児の子育てに直面する「ダブルケア」を行う人が増えている。本研究の目的は、ダブルケア(育児と介護)を行う夫婦の、とりわけ男性側の主体性を高める要因を検討し、夫婦協同のもと育児や介護を行う「コ=ケアラー」モデルの開発を行うことである。 2019年度は、方法としてインタビューによる質的調査で夫婦協働のメリットや男性の主体性を高める要因を明らかにすることを計画していた。そこで、対象者のリクルートに繋がる情報を得るために、NPO法人をはじめとし、ダブルケアのサポート活動を行っている団体の主催者などとの関わる機会を多く持った。ヒアリングの結果、妻も就労を継続し、夫も就労しつつ夫婦協働でダブルケアを行う夫婦について、ある程度の現状を知ることができた。また、ダブルケアのスタートラインとして、未就学児の育児よりも前である、妊娠・出産の段階から考える必要性が示唆された。そのため、助産師諸姉にも広く周知することを目的に、助産専門誌への投稿を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ダブルケアやダブルケアラーに関する研究は、日本において蓄積が少なく、研究の目的を遂行するための計画を詳細に検討する必要性があり、初年度は関係各所からの情報収集をメインに行ったため。
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今後の研究の推進方策 |
コ=ケアラーモデル構築に向けて、夫婦協働の初期段階である、妊娠・出産期のダブルケア、ダブルケアラーに着目して研究を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進捗により、初年度見込んでいた必要経費を使用しなかったためである。 ダブルケアを支援している組織は全国にあり、その支援者訪問や対象者のインタビュー、並びにデータの分析に必要な経費、学会発表のための交通費などの使用を見込む。
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