高次脳機能障害の症状を呈する子どもに対する急性期からの生活支援

2020 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 19K11099
• 研究機関: 東京医科大学
• 研究代表者: 小室 佳文 東京医科大学, 医学部, 教授 (20233067)
• 研究分担者: 市原 真穂 千葉科学大学, 看護学部, 教授 (70736826) ; 今橋 久美子 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 脳機能系障害研究部, 主任研究官 (50597771)
• 研究期間 (年度): 2019-04-01 – 2022-03-31
• キーワード: 小児 / 高次脳機能障害 / 移行支援 / 継続支援 / 急性期 / 多職種連携 / 看護師用ガイドライン

研究実績の概要

高次脳機能障害の症状を呈することが予測される子どもへの急性期からの継続した生活支援を明らかにするために、急性期ケアに焦点をあてた調査とケアモデルの検討を行っている。
2020年度は、急性期からの支援に関する面接調査を高次脳機能障害支援拠点機関8か所のコーディネーター等10名、および、当事者家族会代表等3名の協力を得て実施した。急性期病院入院中の家族サポートや拠点機関との連携に関する課題の概要が明らかとなり、支援拠点機関のコーディネーターに対する支援や急性期におけるケアおよび具体的な多職種連携の構築の手がかりとなる。
高次脳機能障害の症状を呈する可能性のある子どもと家族に対する急性期の看護ケアモデル案を作成しケアの各要素について具体的な看護ケアを検討した。これらのケアについて急性期看護の現場で活動する看護師対象の調査を実施し「看護師用ガイドライン」を完成させる予定であったが、新型コロナ感染症の流行によって看護師の業務が急激に変化している環境を鑑み、感染状況をみて調査実施時期を再検討することとした。
また、学会へのオンライン参加による情報収集、および、資料収集を継続した。

現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

看護師対象の調査実施が遅れている。新型コロナウィルス感染症の流行のため調査実施時期が未定のため、倫理審査受審が遅れている。

今後の研究の推進方策

面接調査の分析を進め、拠点機関の支援、および「看護師用ガイドライン」に反映する。
「看護師用ガイドライン」に関しては看護師対象の調査時期を検討し準備をすすめる。医療現場の状況と看護師の勤務状況に適した調査時期の判断基準を検討する。状況の改善が思わしくない場合、調査が実施可能となっても大幅に遅れる場合は研究期間の延長を申請する。
関連職種への普及・公表活動として学会発表と論文投稿を行い、関連研究の調査を継続する。

次年度使用額が生じた理由

看護師対象の調査を延期することとしたため、参加者に対する文書の送付、謝礼、および文書送付やフォーマット作成に関する委託費を使用しなかった。また、新型コロナウィルス感染症の流行による学会開催方法の変更に伴い旅費と宿泊費の執行が不要となり、研究者による会議もオンライン開催としたため必要経費が削減された。