研究課題/領域番号 |
19K11103
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研究機関 | 京都橘大学 |
研究代表者 |
松尾 奈々 京都橘大学, 健康科学部, 専任講師 (50633351)
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研究分担者 |
兒玉 隆之 京都橘大学, 健康科学部, 教授 (80708371)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 月経随伴症状 / 脳波周波数 / ニューロフィードバック / リラクセーション / 呼吸法 |
研究実績の概要 |
女性は身体的・精神的に多岐にわたる月経随伴症状を経験することが多く、症状をセルフケアできずに不快な情動体験が情動痛症状に変質して身体的・精神的症状に現れると考えられる。このような症状は、ストレス要因と連動して脳内神経回路の可塑的変化を引き起こすとされている。よって、月経随伴症状有訴者には脳機能状態を正常化へ向けたマネジメントが有用であると考える。 本研究では月経随伴症状を有する若年女性に対して脳波周波数のフィードバックとして聴覚ニューロフィードバックトレーニングを実施し、月経随伴症状への効果検証を行い、身体的・精神的な月経随伴症状に対する新たな改善プログラム創出のための基礎研究とする。本研究では、月経随伴症状を有する若年女性に対して脳波解析による神経生理学的研究を実施する。具体的には以下の点を明らかにする。1:月経随伴症状を有する若年女性のターゲットとなる脳波周波数パターンを明らかにする。 2:月経随伴症状を有する若年女性に対して、リラクセーション法を取り入れ、リアルタイムな聴覚刺激を用いたニューロフィードバックトレーニングを長期間実施することにより、痛みや不安などの月経随伴症状に対して真の効果検証を行う。 2019年度は予備調査として、対象となる繰り返される月経随伴症状を有する女性を想定して、慢性的な腰背部痛を有する女性患者に対して、脳波周波数パターンの解明および呼吸法を用いたリラクセーション法を実施した際の脳波周波数を聴覚刺激にてフィードバックするニューロフィードバックトレーニングを実施した。聴覚ニューロフィードバックトレーニングを実施することで対象者の多くは、ターゲットとなる脳波周波数のコントロールが可能となった。しかし介入トレーニング実施による痛みや破局的思考に関する詳細な効果検証は現在も継続中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2019年度は、月経随伴症状有訴者のターゲット周波数パターンの解析を目的に取り組んだ。まず、予備調査として、対象となる繰り返される月経随伴症状を有する女性を想定して、慢性的な腰背部痛を有する女性患者に対して、脳波周波数パターンの解明および呼吸法を用いたリラクセーション法を実施した際の脳波周波数を聴覚刺激にてフィードバックするニューロフィードバックトレーニングを実施した。聴覚ニューロフィードバックトレーニングを実施することで対象者の多くは、ターゲットとなる脳波周波数のコントロールが可能となった。しかし介入トレーニング実施による痛みや破局的思考に関する詳細な効果検証は現在も継続中である。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度の研究実施計画を「月経随伴症状有訴者に対する聴覚ニューロフィードバックトレーニング介入」とする。当該年度は、以下の計画にて介入(研究代表者による)とデータ分析(研究代表者および研究分担者による)を中心に行う。月経随伴症状を有する若年女性30名を対象にトレーニング介入として、ベースライン調査で抽出されたターゲット周波数帯域に対して実施する。脳波周波数を計測しながら呼吸法を用いたリラクセーション法を実施し、ターゲットとする脳波周波数帯域が優位となったとき、聴覚刺激によるフィードバックがリアルタイムになされるニューロフィードバックトレーニングを週2回、月経3周期実施する。 2021年度の研究実施計画を「月経随伴症状有訴者に対する聴覚ニューロフィードバックトレーニング介入による痛みや不安などの月経随伴症状への効果検証」とする。当該年度は、以下の計画にてデータ分析(研究代表者および研究分担者による)を中心に行う。安静時脳波周波数帯域測定および月経随伴症状および痛みや不安に関する評価を実施し、聴覚ニューロフィードバックトレーニングの効果を検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度の2019年度では、予備調査として対象となる繰り返される月経随伴症状を有する女性を想定して、慢性的な腰背部痛を有する女性患者に対して、脳波周波数パターンの解明および呼吸法を用いたリラクセーション法を実施した際の脳波周波数を聴覚刺激にてフィードバックするニューロフィードバックトレーニングを実施した。 当初の予定として予備調査では複数施設に協力依頼を行う計画であったが、施設数を限定して対象者のリクルートを行うことができた。そのため、物品費や人件費に未使用額が生じた。
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