研究課題/領域番号 |
19K11114
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
小岡 亜希子 愛媛大学, 医学系研究科, 講師 (50444758)
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研究分担者 |
田中 久美子 愛媛大学, 医学系研究科, 准教授 (00342296)
藤井 晶子 愛媛大学, 医学系研究科, 助教 (00805624)
陶山 啓子 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (50214713)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 高齢者 / 高齢長期臥床者 / 排便ケア |
研究実績の概要 |
高齢の長期臥床者の排便ケアの実態を明らかにするため、文献検討を行なった。 要介護高齢者の排便状態と排便ケアの実態調査では、老人保健施設で実態調査を行った報告が2文献あり、下痢している者はいずれも下剤の服用が関連していた。また便秘を呈しているものも多く、便秘による下剤投与により下痢している傾向があった。療養型医療施設で実態調査を行なっている研究は2文献であった。 療養型医療施設は、その施設の特徴から長期臥床状態にある高齢者が多い。そのため、おむつの使用率が高く、おむつ関連型の皮膚障害であるI A Dの発症が問題となっている。対象病棟の98.7%が定時のおむつ交換を行っており、定時以外におむつ交換をしている病棟は41%に留まっていた。排便コントロールの方法は98.7%が下剤の投与であった。経管栄養を受ける高齢者の排便の実態を調査した研究では、対象者の8割が水様から泥状の便をおむつないに排便していることが報告されている。 いずれの研究も高齢長期臥床者の排便の実態を示すものではなく、排便の実態と排便に影響を与える要因を明らかにする必要性があるといえる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は排便ケアに関する質評価指標の原案を作成する予定であった。しかし、対象者の検討を行った結果、経管栄養を受ける高齢者の多くは、長期臥床状態にある場合が多いこと、排便ケアの改善が必要となるケア対象者は、経管栄養患者を含む長期臥床者であることを勘案し、高齢長期臥床者の排便ケアの改善へ対象を広げようと考えている。また、原案を作成する前に、実態調査を行う必要性があると考え、現在実態調査に向けた項目の選定と調査方法の検討を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は実態調査を進めていく予定である。調査項目の検討を行い、倫理審査に向けて準備をすすめる。 対象者を高齢長期臥床者と考えているため、看護師に排便の実態を調査して頂くには負担が大きくなりすぎ、研究者が実態を調査しにいく点では対象人数に限界があるため、調査項目内容とデータ収集方法の検討も必要となっている。
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次年度使用額が生じた理由 |
排便ケアのエキスパートからの聞き取りのための旅費や謝金等を予定していたが、チア照射の見直しや、実態調査を実施することなど、指標の原案作成に至れなかったために、次年度への繰り越しとなってしまいました。
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