研究課題/領域番号 |
19K11115
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
鳩野 洋子 九州大学, 医学研究院, 教授 (20260268)
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研究分担者 |
鈴木 浩子 昭和大学, 保健医療学部, 教授 (40468822)
嶋津 多恵子 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 国立看護大学校 教授 (80184521)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | アドボカシー / 保健師 / 集団・地域 / 行政 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、保健師のアドボカシー行動の実践尺度を開発すること、あよびその行動に関連する要因を探索することである。 本年度は、昨年度作成したアドボカシーの定義、項目案に関して、専門家および実践家に対して内容妥当性の検討および表面妥当性の検討のために、インタビューによる意見聴取を実施し、項目案を修正することを目的とした。 インタビューは、公衆衛生看護領域の教科書の中で、倫理やアドボカシーに関連する項目を執筆している研究者2名、中堅期以上の保健師でアドボカシーに関わる活動実践、あるいは認識を有すると紹介された者5名に実施した。その結果、保健師が行うアドボカシーの定義、および尺度項目の構成概念、項目の修正を行うとともに、アドボカシーというなじみのない概念の理解を助けるものが必要との意見があったため、図入りの説明書を作成した。その他、尺度使用対象者は行政保健師に限定すること、また個人に向けたアドボカシーでなく、保健師の特徴である集団・地域に向けたアドボカシーの内容に限定することとした。 尺度構成の構成概念は5つに整理された。構成概念1【状況分析】には<対象となる人が存在した場合、のそ人に不利益な状況にあることの思いや望みを聞く>などの6項目、2【対象集団の行動促進】には<対象とする人々が、自分たちの不利益な状況に気づくことができるよう、情報を提供する>など5項目、3【対象集団の代弁】には<自治体の部署内・部署外の簡易者に、対象となる人々の不利益な状況を資料等を用いて伝える>等9項目、4【ネットワーク化・組織化】には<対象となる人々の不利益な状況を改善する手段について、多領域の関係者で検討できる機会を設定する>等4項目、5【しくみ・政策形成】には<意思決定者に、対象となる人々のし利益な状況の改善に必要な徳美、施策・政策について伝える>等8項目がそれぞれ抽出された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
意見聴取において、実践者のオンラインでの意見聴取の環境が整っていないことがあり、意見聴取の場面設定、また、オンラインにおいても、通信トラブル等が生じたため、意見聴取は容易ではなかった。
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今後の研究の推進方策 |
トラブルはあったものの、意見聴取は終了できたことから、すみやかに本調査の準備にかかる予定である。本調査は郵送による質問紙調査を予定しているため、調査自体には新型コロナ感染拡大による影響は大きくはないと考えられる。ただし、実践現場の業務が逼迫している状況にあるため、現在において時期の予測は困難ではあるものの、蔓延防止法や緊急事態宣言が出ていない時期の調査が望ましいとは考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
インタビューにおいて自治体保健師の方は謝金の受け取りをされなかった。また、本調査の計画が新型コロナウィルスの感染拡大により遅れ気味であることが原因であるが、本年度は本調査を想定していることから、それに使用する予定である。
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