研究課題/領域番号 |
19K11116
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研究機関 | 札幌市立大学 |
研究代表者 |
貝谷 敏子 札幌市立大学, 看護学部, 教授 (00381327)
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研究分担者 |
酒井 透江 杏林大学, 保健学部, 講師 (50813557)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | スキン-テア / 高齢者看護 |
研究実績の概要 |
高齢化率が上昇する社会情勢の中で,今後もスキン‐テアが増加し有病率が高くなることが予測される.しかしながら,スキン-テア発生後の研究は少なく,スキン‐テアの発生によって生じるアウトカム(疼痛やQOL,経済的損失)への影響は不明である.加齢による皮膚変化がスキン-テアの発生リスクであるため,臨床ではスキン-テアの発生が創傷としてではなく,高齢者の皮膚の特徴の一つとして日常的に捉えられる可能性がある.そのため,スキン-テア発生に伴う疼痛,QOLと医療コスト増大への影響,そしてそれらに影響する治療の実態を明らかにすることは,予防的スキンケア方法の確立のための一助となり,意義は大きいと考えた.そこで今年度は,スキン-テア発生の現状、スキン-テア発生のアウトカムを明らかにすることを目的として実態調査を実施した.研究デザインは,多施設共同研究による前向きコホート研究である.施設調査は,2019年8月1日から2020年3月31日で実施した.調査項目は,研究協力施設に関する情報と,研究の概念枠組みに基づいたき,組織耐久性,外力,スキン‐テア発生,アウトカム,アウトカムへの影響の項目で構成した. 研究協力施設は25施設のうち,調査期間中にスキン‐テア発生がなかった5施設を除外し協力施設は20施設となった.調査期間中に研究協力施設でスキン‐テアが発生した全患者数は205名で,各研究協力施設の調査対象患者数は平均5.0名,最少1名,最大11名であった.そのうち同意が得られなかった患者と1週間以内に退院した患者を除外し,包含基準を満たす96名を分析対象とした.データのスクリーニングを行い今後分析を実施する予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
調査を終えて分析中であり計画通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
今年度から2年かけてパイロットスタディを実施予定であるが、社会状況を見ながら計画する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究協力施設として市内の病院の協力が多かったため、説明に要する旅費の支出が少なく研究費の持越しが生じた。今年は社会的な状況でさらに移動が制限され、旅費の支出が少なくなることが予測される。パイロットスタディの内容を検討し、旅費に使用予定であった経費を、調査のための備品や物品費に充てて調整をしていきたい。
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