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2020 年度 実施状況報告書

高齢者の脆弱な皮膚に対する効率性の高いスキンケアマネジメント方法の構築

研究課題

研究課題/領域番号 19K11116
研究機関札幌市立大学

研究代表者

貝谷 敏子  札幌市立大学, 看護学部, 教授 (00381327)

研究分担者 酒井 透江  杏林大学, 保健学部, 講師 (50813557)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードスキン-テア / 高齢者看護
研究実績の概要

スキン-テア発生の現状、スキン-テア発生のアウトカムを明らかにすることを目的として実態調査を実施した.研究デザインは,多施設共同研究による前向きコホート研究である.施設調査は,2019年8月1日から2020年3月31日で実施した.対象患者は96名であった.対象患者の平均年齢は81.3(11.9)歳、発生部位は上肢が83.1%であった.STAR分類はカテゴリ2bが49.0%で最も多かった.スキン-テア発生時の疼痛はNRSで平均1.9(2.1)であった.発生時の効用値は平均0.42(0.23)で,平均治癒期間は12.0(6.2)日.医療コストは平均3,052(3,240)円であった.創面積の大きさに伴い医療コストも上昇した(p<.01).ベースラインの創面積の差を是正するため1日当たりの創面積の縮小率を求めた結果,STAR分類1bは2bと比較し縮小率が有意に高かった(p<.05).
今回の実態調査の結果より,スキン-テアは適切なケアを行えば他の創傷に比較して早く治癒できることが明らかになった.しかし,過去にスキン-テアの既往のあった患者は34.4%であり,治癒後の再発が高いことが課題であった.再発の予防には,損傷の原因となる起因外力を予測することが必要である.しかし,スキンテアの原因となった外力は不明の場合が多く,再発予防の対策を立案する上では情報が不足している.加えて,施設ではスキンケアの専門的な知識を持つ看護師が少ないため,適切なケアにつながりにくい現状がある.そこの今年度は実態調査より明らかになった再発予防のケアに着目して研究をすすめていく.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

実態調査の分析を終え,そこからの課題である起因外力の予測についての研究を開始している.

今後の研究の推進方策

スキンテアは再発率が高いため,起因外力を予測することが再発予防の鍵となる.我々の行った実態調査では,スキンテアの分類と発生の原因をあわせて分析すると,スキンテアが発生した原因となる外力が推定できることが示唆された.
そこで今回の実態調査のデータを用いた2次解析により,スキンテア起因外力の予測アプリケーションの開発を行うことを今年度の目的とする.起因外力が推定可能となることで,スキンテアの再発予防に向けたケアの確立につながると考える.

次年度使用額が生じた理由

COVID-19の影響で学会での発表や会議などの打ち合わせに要する旅費の支出がない状況であり予算に大きな変更が生じている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] ctual outcomes caused by skin tears:2021

    • 著者名/発表者名
      Terumi Miyata , Toshiko Kaitani
    • 学会等名
      The 9th Asia Pacific Enterostomal Therapy Nurse Association Conference
    • 国際学会

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公開日: 2022-12-28  

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