研究課題/領域番号 |
19K11118
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研究機関 | 千葉県立保健医療大学 |
研究代表者 |
佐藤 紀子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 教授 (80283555)
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研究分担者 |
雨宮 有子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 准教授 (30279624)
細谷 紀子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 准教授 (60334182)
杉本 健太郎 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 講師 (80724939)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | エンパワメント / 介護予防 / 実践支援ガイド |
研究実績の概要 |
本研究は、エンパワメントを基盤とした介護予防推進のための実践支援ガイドを開発し、その実用化を図ることを目的とする。 初年度は、すでに活動の成果が確認できる住民主体の介護予防活動報告から、コミュニティ・エンパワメント(以下CE)がどのように推進されているのかを明らかにした。なお、CEは、地域の人々が共通の地域の健康課題を共有し、協働して解決に至るプロセスであり、その結果生みだされた地域の環境と力の状態を含むと定義した。 医学中央雑誌Web版を用いて「地域づくり」、「エンパワメント」、「コミュニティ・エンパワメント」に「介護予防」を掛け合わせて検索した。住民主体の介護予防活動が地域で普及している成果が確認できること、活動内容と経過が明記されていることを条件として選定したところ、4件しか抽出できなかった。そのため、厚労省がネット公開している「地域の実情に応じた効果的・効率的な介護予防の取り組み事例」についても同様の条件で選定し3件を追加した。7件を分析対象とした。対象文献の活動期間は2.5~20年(平均8年)、主な活動内容は、すべて体操を取りいれた自主グループ活動であった。CEの定義に基づき記述部分を抽出し、活動の段階ごとにどのようにCEが推進されたのか支援者の視点から分類整理し、カテゴリを生成した結果、立ち上げ段階は<多方面からの情報により地域の健康課題を明確にする><住民とともに、活動の目的・目標、方法を見出す>等、実践段階は<自主性を尊重してサポートすることを住民に明確に伝える><参加者同士の交流で、気づきや効果の実感を促す>等、継続・発展段階は<地域の身近な場所での開催を住民とともに考える><リーダーを支援する仕組みをつくる>等、全過程では<地域への普及に向けた活動段階を考えて事業を展開する><住民、住民組織、関係機関等に活動を広く周知する>等のカテゴリが生成された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度は、文献調査に加え、研究者らのネットワークを活用して、実際に介護予防事業に取り組んでいる活動の従事者から活動内容を聴取する予定であったが、コロナの影響を受けインタビュー調査がまだできていない。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は、前年度実施できなかったインタビュー調査を行い、文献調査の結果と突き合わせて分析し、介護予防実践におけるコミュニティ・エンパワメントを促す支援指針を検討する。それを踏まえて実践支援ガイド案を作成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していたインタビュー調査が実施できなかったため。 2020年度にインタビュー調査を実施する。
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