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2020 年度 実施状況報告書

社会的孤立の状態にある高齢者の理解と孤立した生き方を尊重した支援の検討

研究課題

研究課題/領域番号 19K11130
研究機関関西医科大学

研究代表者

海原 律子  関西医科大学, 看護学部, 助教 (50757440)

研究分担者 上野 昌江  関西医科大学, 看護学部, 教授 (70264827)
倉石 哲也  武庫川女子大学, 文学部, 教授 (20234528)
森田 理江  関西医科大学, 看護学部, 助教 (70828095)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード高齢者 / 社会的孤立 / 孤独 / 当事者理解 / 自律性の尊重
研究実績の概要

「社会的孤立」に関連する文献を精読し文献検討を行った。先行研究において、「孤立」は、Townsend(1963)が定義する主観的な「孤独」と混同されていることが少なくないこと、加えて、「社会的孤立」の定義が、操作的定義はあるものの、その状態像は研究者ごとに異なっていることがわかった。そこで「社会的孤立」について、Rodgers & Knafl(2000)のアプローチを用いて概念分析を行った。分析方法を選定するにあたっては、時間的経過や社会背景が反映される方法として着目した。分析のプロセスから、「社会的」と「孤立」を区別して再分析を行っている。
Erikson(1965)の心理社会的発達理論を取り上げ、高齢期の課題である「統合」と「絶望」に注目し、高齢者はその両課題に折り合いをつけながら状況に適応しようとしているという仮説を立てた。今後のデータ収集では、その「絶望」をも包含する当事者の本音が語られることが重要であり、さらに、連続性のあるこれまでの生活史を踏まえることが必要である。よって本研究の第一義として、予備面接の充実を図り、当事者との信頼関係の構築を目指す。
また、なんらかの困難を抱えながらも支援を拒否する高齢者、いわゆる岸ら(2011)が報告するセルフ・ネグレクトや、近年しばしば指摘されている「自ら望んだ孤立」の検討を行った。いずれも支援者側の視点であること、関係が親密な人に限定した結果の一側面であることの考察を得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究の遂行にあたり、当事者の「語り」を得ることを計画していた。しかし今般のコロナウイルス感染症の感染拡大により、当事者と対面することが困難な状況にある。当事者と信頼関係を構築するための予備面接を行うことを含め、データ収集にまで至っていない状況である。

今後の研究の推進方策

当事者の生の語りを聴取する方法として、家庭訪問を計画していたが、コロナウイルス感染症の感染拡大の状況を踏まえると、対面での聴取は難しいと考える。対応策として、社会的孤立の状態にある高齢者に見守り等の間接的支援を続けている支援者から当事者像を聴取することに置き換える。
ここでいう支援者とは、自治体の高齢者支援を担当する職員、または地域包括支援センターの職員とする。支援者の視点に留まることを防ぐため、経験の意味づけから当事者像をあぶりだすことを意図した構造化した質問肢を作成する。回答はカテゴリ化するが、信頼性、妥当性を担保するため、時に聴き手の意見を織り交ぜ確認しながら聴取する。分析は量的分析を中心とし、分析に耐えうるデータ量を確保する。
研究対象とデータ収集法、分析方法の見直しをした研究計画書を作成し、改めて研究倫理審査委員会の承認を得る。

次年度使用額が生じた理由

【次年度使用額が生じた理由】
コロナウイルス感染症の拡大により、対面によるデータ収集ができなかった。ついては、研究協力者への謝金、および収集したデータ入力に係る費用が発生しなかったため。また、学会がオンライン開催になったため、見込んでいた交通費等が不要となった。
【使用計画】
データ収集に要する費用および研究協力者への謝金、データ入力に係る費用として使用する予定である。感染症拡大の影響を考慮し、研究計画の一部変更を行うことにより、対象者数が増加する見込みである。そのためデータ入力に係る費用については予定していた使用額を上回ることが予測される。

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公開日: 2021-12-27  

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