研究課題/領域番号 |
19K11136
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
成田 太一 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (70570521)
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研究分担者 |
小林 恵子 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50300091)
関 奈緒 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30270937)
村松 芳幸 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80272839)
加賀谷 真梨 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (50432042)
清水 智嘉 山梨県立大学, 看護学部, 助教 (80735621)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 精神障害者 / リカバリー / 地域生活 / プログラム |
研究実績の概要 |
本研究は、障害者のリカバリーを促進していくために必要な地域生活支援プログラムを開発することを目的とし、リカバリーの実態や課題を量的・質的データの両側面から明らかにし、当事者や支援者とともにリカバリーを促進していくための包括的な地域生活支援プログラムを検討する。 2019年度は、リカバリーに必要な要素や課題の抽出に向け、文献検討と予備調査を実施した。 米国薬物乱用及び精神衛生サービス管理局(SAMHSA)は、リカバリーを構成する10要素として、自己決定、個々の状況にあったパーソン・センタード・ケア、エンパワメント、全体性の視点、非直線形、ストレングス、ピアサポート、尊厳、責任、そして希望をあげている。Jacobson & Greenley (2001)は、希望や治療、エンパワーメントといった人の内部の状況と、権利擁護やリカバリー志向型支援といった外部の状況の相互作用が効果的なリカバリーモデルの実現には必要であるとしている。欧米では、リカバリー志向型の支援プログラムや、リカバリー志向型支援を客観的にアセスメントする尺度などが開発されている(Corrigan et al., 2004: Serafin, 2015)。日本においても、海外で開発されたプログラムが試行されているが、日本人の特性に合わせた地域生活支援プログラムの検討に関する報告は少ない。 また、地域活動支援センターにおいて実施した予備調査では、利用者は通所回数や時間など比較的自由に利用しており、毎月の活動計画を利用者とスタッフで検討し、利用者が役割分担しながら運営を行っていた。独居生活を送っている利用者も多く、就労していたり他の地域活動支援センターにも通所するなど生活・活動範囲が広く、それぞれのニーズに合わせてセンターを利用している状況が明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2019年度は、地域で生活を送る精神障害者を対象にエスノグラフィーを実施し、リカバリーに必要な要素や課題を抽出することを計画していたが、調査実施の準備を着実に行うため、文献検討と予備調査に時間をかけたため、エスノグラフィーの開始が遅れたことによる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、文献検討と予備調査の結果を踏まえ、エスノグラフィー調査を開始する。開始にあたっては、研究分担者と協力しながら調査の実施・分析を実施し、研究を推進していく。なお、COVID-19の影響により、エスノグラフィーの実施に影響が生じる場合は、質問紙調査など非対面式の調査を先行して実施するなど、研究計画を見直す。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査準備に時間をかけ、エスノグラフィーの実施を遅らせたため、当該調査にかかる費用に残額が生じた。残額については、翌年度に開始する調査の実施費用として使用する。
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