研究課題/領域番号 |
19K11138
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
樺山 舞 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (50635498)
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研究分担者 |
神出 計 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (80393239)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ソーシャルキャピタル / 地域在住高齢者 / 介護予防 |
研究実績の概要 |
前年度において、介護予防活動の実践により実際にどのような介護予防効果が得られているかの検証を、都市部および農村部自治体において実施した。これらの結果から、通いの場への定期的な参加は身体機能の維持向上に寄与する結果が認められた。2021年度の地域介護予防活動は新型コロナウィルス感染症流行による影響を大きく受け、通いの場の活動は断続的に中止された。これにより、高齢者は日常的に人と直接会って交流する場が減少していた。感染症予防のため、社会的距離を保つ必要性がある中では電話という手段以外に、ICT活用ができる人とできない人の間で、社会とのつながりや情報入手といった点において格差が生じ、認知機能を含む心身の低下にも影響したといえた。本研究テーマである効果的な介護予防介入モデルの開発においては、ICT活用も踏まえた方策が必須の状況となった。そこで当該年度においては地域在住高齢者(1800人)に対する調査としてICT活用状況の実態も含めた社会参加状況と健康状態の関連を郵送にて行った。結果、何等かのICTを利用していた高齢者は約7割認められた。利用内容は、クラスター分析の結果「社会的利用(人との対話)群」「情報収集利用群」「ほぼ利用なし群」に分類された。これら利用内容と心身機能との関連を検討した結果、女性における社会的利用群はフレイル該当割合が低い(男性は有意差なし)ことが明らかとなった。これら分析の結果は、日本公衆衛生学会において発表した。また老年医学の国際誌(BMCGeriatrics)に掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究成果を達成するには、新型コロナウィルス感染症の影響や対応をさらに考慮していく必要があるため、今後も必要な要因を加味して研究を進める。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、ソーシャルキャピタル(SC)を活用した介入効果をさらに縦断的に検討を進め、新型コロナウィルス感染症によるSCの変化と心身機能への影響を踏まえた介入モデル開発を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症の流行状態の影響により、現地調査の回数を減らして対応したため、旅費や人件費の使用額が減った。その分次年度に実施することを検討している。
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