研究課題/領域番号 |
19K11141
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
藤田 君支 九州大学, 医学研究院, 教授 (80315209)
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研究分担者 |
牧本 清子 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 教授 (80262559)
田渕 康子 佐賀大学, 医学部, 教授 (90382431)
松永 由理子 (明時由理子) 九州大学, 医学研究院, 講師 (50612074)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 身体活動 / 低強度活動 / セデンタリ / 尺度開発 / 人工関節 / 質問紙 / 加速度計 |
研究実績の概要 |
目的:2020年度は、不活発な地域在住の中高齢者を対象とした面接調査と文献レビュー、7名の専門家委員会で作成した低強度身体活動尺度(17項目)について、活動量計を用いて、妥当性と信頼性を検討した。 方法:対象者は股関節または膝関節の全置換術後6ヶ月以上経過した者とし、昨年度作成した低強度活動尺度原版(17項目)の質問紙への回答と加速度計(Active style PRO HJA-750(Omron Healthcare Co., Ltd., Kyoto, Japan)を4日以上の装着を依頼した。本調査に使用した加速度計は、低強度活動を鋭敏に測定でき、標準的な活動量計(Lifecorder)との比較においても高い相関関係を示した。質問紙は1週間後に再度回答を依頼し、信頼性を検討した。身体活動は、強度別に、座位行動:0.9-1.5METs以下、軽強度活動:1.5<-3METs以下、中高強度活動(MVPA):> 3METsと分類した。本研究は九州大学病院の倫理審査の承認後に実施した。 結果:すべての調査を完了した分析対象者は112人だった。低強度身体活動尺度原版は床効果を示した7項目を除外し、全10項目の低強度身体活動質問紙(SLPAQ-10)に改訂した。本尺度は6項目の軽強度活動と4項目の座位行動を含む。再テストによる級内相関係数は、中~高程度の信頼性を示した(低強度身体活動:ICC=0.74;座位行動:ICC=0.66)。SLPAQ-10と加速度計の間に中~弱いスピアマン相関関係があり(低強度身体活動:ρ= 0.43;座位行動:ρ= 0.20)、ブランドアルトマン分析はバイアスを示さなかった。本尺度は、低強度活動量を簡便に評価できる信頼性のある尺度であり、MVPAが困難な疾患や障害をもつ人々への身体活動支援に有用なことが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
理由 新型コロナ感染症の影響で、患者調査と身体活動支援の検討が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は対象施設及び研究分担者を追加し、研究推進の準備を進めている。
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次年度使用額が生じた理由 |
学会発表等による旅費の支出を予定していたが、新型コロナ感染症の影響により、旅費が不要となったため。
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