研究課題/領域番号 |
19K11152
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研究機関 | 東京純心大学 |
研究代表者 |
清水 典子 東京純心大学, 看護学部, 講師 (30710090)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 身体拘束 / 院内デイケア / 高齢患者 |
研究実績の概要 |
本研究は、安全面への配慮から活動が制限された高齢患者を対象に、院内デイケアを看護師とともに開設・展開する。その経過を通して、看護師の身体拘束に対する意識の変化を分析し、院内デイケアがもたらす看護師への教育的効果を検証することを目的としている。 2020年度は、一般病院における院内デイケアの実態を未実施施設との比較を通して論文化し公表した。一般病院の院内デイケアは、心身機能や生活リズムの維持、身体拘束解除において有効だと看護師は認識しており、その理由として、目的を設定し、意図的にケアを提供し、評価をしていたこと、高齢患者が1つのコミュニティで生活者として参加する場の提供となっていたことが考えられた。さらに、治療過程を熟知した看護師の配置は、プログラムを高齢患者の状態と見合わせながら対応できることから重要であることが示唆された。また、院内デイケアの介入においては、A県の地域包括ケア病棟で認知機能が低下し身体拘束を実施されている高齢患者を対象に、2週間の院内デイケアを計6クール実施した研究を分析中である。分析対象者は介入群(18名)と対照群(21名)であった。介入群は介入後に身体拘束時間が有意に減少した。減少した時間帯は日中であり、拘束の種類としては、四点ベッド柵の使用時間であった。一方で夜間帯やベッド上での胴抑制を使用した拘束時間に変化はみられなかった。2021年度は研究協力者たちとこれらの結果をディスカッションしながら、論文化し公表する予定である。 COVID-19の流行で、本研究にて今後介入予定の対象病院は、感染防止の対応に追われ、また看護師の業務負担が増強したこともあり管理者との話し合いの中で、対象病院での協力者のリクルートを延期している。なるべく早い段階で、院内デイケア開設の体制を整え協力者をリクルートしていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は、病院内での介入研究を考えているが、COVID-19の感染予防の観点から病院との打ち合わせが難しく、病院内での協力者リクルートが遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は院内デイケアに携わる看護師をリクルートし、施設の状況に応じた院内デイケアの在り方を検討する予定であり、可能な限りの協力依頼のなかで、感染防御に努めながら院内デイケアが実施できるよう整備していきたいと思う。
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次年度使用額が生じた理由 |
主たる支出が介入研究のための病院との打ち合わせや院内デイケアの環境整備費用であったが、COVID-19の感染防止への対応と看護師の業務負担の増大から、2021年度へ延期した。そのため次年度へ予算を繰り越しとした。
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