研究課題/領域番号 |
19K11152
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研究機関 | 聖徳大学 |
研究代表者 |
清水 典子 聖徳大学, 看護学部, 准教授 (30710090)
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研究分担者 |
加藤 真由美 金沢大学, 保健学系, 教授 (20293350)
山本 君子 東京純心大学, 看護学部, 教授 (00622078)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 身体拘束 / 院内デイケア / 高齢患者 / 認知症 / 教育効果 / 倫理教育 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、認知機能低下高齢患者を対象とした院内デイケアを看護師が運営する体験を明らかにすることであり、院内デイケアを看護師が運営することで、病棟における身体拘束に対する意識や行動に変化を生じるのか、認知機能低下患者に対する病棟での接し方に変化があるのかを明らかにすることであった。 これまでに、院内デイケアを開設した10名を対象とし半構造化インタビューを行い、質的記述的方法に基づき分析した。対象者はすべて認知症看護認定看護師の資格を有していた。 院内デイケアを実施することで患者は、≪好きなことができる場≫や≪治療を効果的に受ける場≫を提供され、≪コミュニティにおける自己の立ち位置の形成≫をしながら≪コミュニティに参加することでの喜び≫を感じていた。また、≪生活リズムの再構築≫や≪ADL向上につながる自らの持つ力の発揮≫をしており、≪デイケアでの過ごし方からつながる退院先の決定および過ごし方≫へつながっていた。院内デイケア中は全施設すべての拘束を解除しており、病棟へ帰室後も拘束解除を継続した施設があった。拘束を解除した施設は、≪デイケアでの患者の様子が拘束解除のきっかけ≫となり、≪病院全体での取り組み≫≪拘束具の使用制限≫をしていた。また、院内デイケアを実施することで病棟看護師は、≪患者理解の深まり≫≪自らのケアの内省と挑戦≫≪デイケアを病棟看護に活用≫し、具体的には、≪残された機能を維持・向上するためのケア≫≪デイケアプログラムを一部組み入れるケア≫≪好きなことや楽しみの時間の確保≫であった。 院内デイケアを実施することは、看護師が病室とは異なる患者の一面を発見することであり、患者との新たな関わりを見出し、病棟における身体拘束解除を考える契機となる可能性が示唆された。
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