研究課題/領域番号 |
19K11154
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研究機関 | 椙山女学園大学 |
研究代表者 |
野中 光代 椙山女学園大学, 看護学部, 助教 (50269651)
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研究分担者 |
柳澤 理子 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (30310618)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 知的障害 / 肥満 / 母親 / 介入プログラム / 自閉症 |
研究実績の概要 |
はじめに研究者が「自閉症を伴う在宅重度知的障害者に対する母親の肥満容認プロセス」と、行動の先行子や結果を操作して行動を変える行動分析学を基にプログラム案を作成した。愛知県立大学研究倫理審査委員会の承認を得て、2019年5月に専門家パネルを開催し、減量プログラムの妥当性、実行可能性について検討いただき、プログラムを修正した。6名の専門家の参加を得た。2019年6月修正したプログラムを、成人重度知的障害者母子2組にプレテストを4日間行った。内容は2つの教育セッション後、自宅で子どもに減量を実施し、記録してもらい、継続セッションを1回行った。その結果さらに修正し、実行可能性を高めた。 次にプログラムの効果検証を開始した。ベースライン2週間、介入期4か月、フォローアップ3か月とし、2019年7月より、リクルートできた者からデータ収集を開始し、これまでに10施設10組の母子が参加した。2組はフォローアップまで、6組は介入期まで終了し、1組が介入期である。1組は途中終了した。全てのデータ収集は2020年8月に完了予定である。 プレテストまでを「自閉症を伴う成人重度知的障害者の肥満改善に向けた母親への介入プログラム案の作成」のタイトルで、第8回日本公衆衛生看護学会学術集会(愛媛県松山市)にて2020年1月にポスター発表を行った。現在論文投稿中である。 2019年11月にアメリカ公衆衛生学会APHAに参加させていただいた。成人知的障害者の研究もあったが、障害の程度が重度ではなく、軽度や中程度者のよりよい健康を扱っていた。また肥満を扱ったものはなかった。世界中からの発表は、大学と専門機関で多くの遠隔で大規模な共同研究が行われていたり、発表方法が端的で、見やすく聞きやすく工夫されていたり、よく練習もされており大変刺激になった。現在の効果検証について、最終年度APHAで発表できるよう準備したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
進捗状況についてはおおむね予定通り進んでいる。 しかし減量プログラム案の効果検証の参加予定人数については少ない規模となった。計画では、1施設で3~4組の参加者が得られ、5施設15~20名程度で、施設毎に実施する予定であった。実際に対象となる母子は1施設に複数組存在したが、同意が得られたのは各施設1組ずつとなった。限られた研究期間で行うためリクルートでき次第開始としたことや、母子の参加への負担を考え、近隣の施設を合同で行うことは難しかった。現在9施設9組の参加を得ている。まだデータ収集中であるが、共同研究者の大学院の主指導教員および、2名の副指導教員とも定期的に話し合いをしており、減量プログラム案の効果については検証可能であると判断している。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は、減量プログラム案の効果検証について、引き続きデータ収集を実施する。2020年8月までにデータ収集を終え、結果を分析し、博士論文を作成する。学会発表については、2020年度中にアメリカ公衆衛生学会APHAに申し込みをする。 最終年度は、研究成果を論文にまとめ、学会誌に投稿する。プログラム案の効果検証の結果に沿って、プログラムを修正し、介入プログラムの概要と実施手順を記したマニュアルを作成し、関係機関に配布する。成人重度知的障害者の、通所施設の管理栄養士・看護師がプログラムを利用しやすくなるような計画を立てる。
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次年度使用額が生じた理由 |
減量プログラムの効果検証について、今年度リクルートに時間がかかり、来年度も引き続きデータ収集を行う予定である。交通費や謝礼、通信費等かかる予定である。研究成果は最終年度、国際学会で発表予定であり、申し込みや旅費がかかる予定である。論文投稿も最終年度行う予定であり、投稿するための費用が必要である。減量プログラムが開発できたら、プログラムの概要と実施手順を記したマニュアルの作成や関係機関への配布等計画しており、印刷代や送料等も必要である。
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