研究課題/領域番号 |
19K11155
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研究機関 | 椙山女学園大学 |
研究代表者 |
池俣 志帆 椙山女学園大学, 看護学部, 准教授 (00527765)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 漸進的筋弛緩法 / 集団教育プログラム / 高齢者 |
研究実績の概要 |
本研究では地域に在住する高齢者を対象に、ストレス反応の軽減を目的とし漸進的筋弛緩法を用いたリラクセーションプログラムを集団教育し、集団教育のプログラム評価を行ってきた。短期的評価では、集団教育プログラムの実施前後において、血圧、脈拍の平均値は減少しており、副交感神経活動の高まりが確認できた。また、セルフモニタリングシートにおいても、実施前後を比較して、各部位の緊張状態がやや低下する傾向がみられた。まとめ・振り返りの内容においても、体や心のリラクセーション反応、実施への肯定的な反応がみられた。集団教育後1ヶ月間、漸進的筋弛緩法の実施を継続的に行うことを対象者に依頼した。長期的評価では1ヶ月間の継続実施の要因として、「リーダーとしての役割意識があること」、「実施の習慣化」等があることがわかった。逆に、中断要因では「実施のための時間を作ることが困難」、「説明への理解が不十分である」等が明らかとなった。 これまでは、研究者が集団教育プログラムの実施者となっていたが、高齢者自身が指導者となり実施ができるよう、高齢指導者用の説明資料や、実施方法のプログラム内容の教育資料の作成を行ってきた。地域在住の高齢者へリラクセーションプログラムを継続的に実施した際の課題として、「継続して実施するためのフォローアップ体制」や、「指導方法の工夫」等の点も明らかとなっている。このため、高齢指導者が集団教育プログラムを実施する際の、留意事項や課題を踏まえた教育計画の構築を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍において、高齢者サロンなどの高齢者が集う場が減少した。感染対策の視点からも、高齢者の集団教育の機会を設定することが容易ではない時期が生じた。
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今後の研究の推進方策 |
高齢者自身が指導者となり実施ができるよう、高齢指導者用の説明資料や、実施方法のプログラム内容の教育資料の作成を行ってきた。また、高齢指導者が集団教育プログラムを実施する際の、留意事項や課題を踏まえた教育計画の構築を行ってきたことから、これを地域の高齢者サロン等において、高齢者自身が指導者として実施できるよう資料作成・配布を行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は研究計画で予定していたよりも物品費や旅費の使用が少なかった。次年度は、施設への配布資料作成、高齢指導者養成の教育計画の作成等を行っていく予定である。
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