地域に在住する高齢者を対象に、ストレス反応の軽減を目的とし、身体的側面からのリラクセーション法である漸進的筋弛緩法を実施し、その効果を明らかにすることで、高齢者のためのリラクセーションプログラムを構築することとした。漸進的筋弛緩法を用いた集団教育プログラムの内容を検証し、短期的及び長期的評価を行った。集団教育プログラムの内容としては、「導入・説明」、「血圧・脈拍測定」、「セリフモニタリングシートの記入」、「漸進的筋弛緩法の実施」、「まとめ・振り返り」とした。結果として、血圧や脈拍数、セルフモニタリングシートの値から、体や心のリラクセーション反応がみられ、短期的な効果が明らかとなった。これは、漸進的筋弛緩法の実施に伴う、筋肉の緊張状態の減弱、弛緩状態の強まりが考えられる。また、インタビュー内容の分析等から、日々生じたリラクセーション反応が、1ヶ月後の長期的にも影響がある可能性が示された。漸進的筋弛緩法を継続的に実施するための要因としては、グループメンバー間での影響を大きく受けることや、実施ノートに記載することが動機づけになっていることがわかった。また、継続的実施の中断要因としては、実施のための時間を作ることができない、説明への理解が不十分であった、といったことがわかった。リラクセーションプログラムを地域で活用してもらえるよう、継続的実施要因と中断要因を踏まえ、高齢者を実施者とした集団教育プログラムを作成した。
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