研究課題/領域番号 |
19K11177
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
新居 富士美 帝京大学, 公私立大学の部局等, 教授 (70333250)
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研究分担者 |
大島 操 帝京大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40369872)
大石 昌也 帝京平成大学, 健康メディカル学部, 教授 (70223724)
山邉 素子 帝京大学, 公私立大学の部局等, 教授 (80333251)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 非侵襲的ヘモグロビン濃度測定 / 高齢者 |
研究実績の概要 |
昨年度のフォーカスグループインタビュー(FGI)で、SpHb測定機器の利用可能な対象者自体の分析が課題のひとつにあがっていた。今年度は、引き続きFGIの逐語録からどのような背景の患者へSpHb測定機器を実際に利用したのか、在宅療養者である対象者の詳細を中心に整理した。 SpHb測定機器を利用した対象の背景は1)外来化学療法をおこなう自宅療養者、2)訪問看護を利用中で基礎疾患を複数持つ高齢者、3)施設入所待機中の高齢療養者、4)在宅でエンドステージを迎える高齢者だった。プレとして5症例(男性2名、女性3名。年齢範囲は77歳~95歳)データ収集開始早々に新型コロナ感染拡大の緊急事態宣言発出となり、中断が続いた。これらと同時に、現時点における医療機器のひとつであるSpHb測定機器を用いた看護研究に焦点をあてて国内の文献レビューをおこなった。その結果、次の点が明らかとなった。 1)SpHb測定は貧血の評価の可能性を検討する目的で妊婦健診や3歳児健診、外来小児患者、透析、全身麻酔下や集中治療領域という多様な場面の対象に用いられていた。2)SpHb測定値は貧血の評価指標となり得るが、灌流指標(PI)値をはじめ測定条件の設定に注意が必要である。3)SpHb測定値の見える化により、貧血の予防に対する自己管理行動へつながる可能性がある。灌流指標(PI)値をはじめSpHb測定に留意する事項を念頭におき、高齢者を対象にしたSpHb測定における看護研究では、どのようなケア場面に有用なのかを具体的に明らかにする研究が課題である。後者の「日本における非侵襲的ヘモグロビン濃度測定機器を用いた看護研究の動向と課題」については学会誌へ投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
5症例についてプレ段階のデータ収集を終えたところで、新型コロナウイルス感染症拡大の第3波のため(研究対象は福岡県内と熊本県内)立ち入り厳禁が継続した。あらためて感染防止の計画や研究者自身の行動計画、健康観察記録の提示、PCR陰性証明書提示、先方のご意向に対する回答等の取り交わし事項という具体策を盛り込んだ計画書案の必要が生じた。施設によっては、臨床への立ち入り等はワクチン接種後を考慮している旨の申し出もあり頓挫している。以上のさまざまな条件をクリアした上で、施設長の訪問やICを再度おこなわなければならない。
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今後の研究の推進方策 |
2021年5月12日に緊急事態宣言の発出となり(福岡県)、再び、施設や在宅療養者等へのIC、データ収集を中断せざるを得ない状況である。さらに2021年5月16日からはもうひとつの研究フィールドである、熊本県が「まん延防止等重点措置」適用となった。 発出宣言ならびにまん延防止重点措置等の解除を受け次第、当初の予定よりデータ収集が小規模になる可能性が高いものの、了承を得られた施設からの紹介を受けてというように変更しながらフィールドを確保して対応したい。 研究協力者を再度募集してマンパワーの充実をはかりながら当初より遅れている計画の軌道修正をおこないながら進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染拡大防止、緊急事態宣言発出に伴い、研究計画の遂行に困難を生じて予算執行も計画変更せざるを得なかったため
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