研究課題
本研究の目的は、認知症初期の人の家族介護者を対象に、当事者主体でのintegrated care の視点をもった介護者支援を介入研究し、効果検証をすることである。認知症の人の家族介護者を支援するために、病院から地域までの多職種でintegrated careに向けた情報を整理することから始めた。令和2年にケアマネジャーと家族介護者に対してそれぞれに郵送方式で情報ニーズとヘルスリテラシーに関する調査を行った。ケアマネジャーは、機能的リテラシーと相互作用的リテラシーを課題としていた。ケアマネジャーは認知症の人と家族の身近にいる専門職として、情報提供の役割と自己決定支援に向けた倫理的な課題にも取り組む必要があった。代表者は、令和4年に著書「認知症―よりそう家族の知恵と工夫」を800冊発刊し、家族支援プログラム、病院外来、講演会等で本人、家族介護者、看護師、ケアマネジャー等支援者に研修時のテキストとして活用し、アンケート等で高評価を得ることができた。コロナ禍で家族対象とした介入研究は難しかったが、過去に家族支援プログラム参加者に送付と同時にその後の生活について追跡調査することができた。それらを踏まえ、認知症の人と家族介護者のQOLを基軸としたintegreted careをしていくためには、パーソン・センタード・ケアが重要と考えた。そこで令和3年末から4年2月までオンラインで現在働いている病棟看護師、訪問看護師、ケアマネジャーを認知症高齢者に対するパーソン・センタード・ケアに関する調査とワークショップを開催した。これらの研究成果から、認知症の人と家族介護者に向けて、パーソン・センタード・ケアを軸とすることで、病院から地域の専門職、家族、当事者へと統合されたケアへとつながるのではないか、すなわちintegrated careが規範的統合の1つとなるのではないかと考えた。
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キャリアと看護研究
巻: 13 ページ: 12-18
高齢者ケア実践学研究会
巻: 3 ページ: -
巻: 2 ページ: 30-36