研究課題/領域番号 |
19K11188
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
服部 ユカリ 旭川医科大学, 医学部, 教授 (00272899)
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研究分担者 |
芳賀 博 佐久大学, 看護学部, 客員教授 (00132902)
牧野 志津 旭川医科大学, 医学部, 助教 (30814503)
野中 雅人 旭川医科大学, 医学部, 助教 (30835286)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | フォトボイス / 介護予防 / エンパワメント |
研究実績の概要 |
今年度は、一昨年度開発した「フォトボイスを用いて高齢者をエンパワメントする介護予防プログラム(ver.1)」を地域在住高齢者を募って実施し、自治体で実施している従来のプログラムに参加している高齢者を対照群として両者を比較し効果を分析する予定であった。アウトカムとして、①生活機能②参加者の主観的評価を測定するとともに、プロセス評価、質的評価を行う計画を立てていた。 しかし、今年度もCOVID-19感染拡大が収束せず、計画していた期間に高齢者を集めて開発したプログラムを実施することができなかった。そこで、感染拡大リスクを低減するように期間・時間等を短縮し、グループワークを行わないようプログラムを修正したテストプログラムを実施した。 予定していた期間に、まん延防止重点措置が発令されたため日程の変更を余儀なくされたが、3回実施することができた。対象者は、これまでに研究者主催の介護予防教室に参加経験のある男性8名、女性14名の22名であり全員70歳以上であった。フォトボイスの手法を用いて、「コロナで困ったこと、コロナにめげず工夫していること」を語り合った。プログラム終了後アンケートでは全員が「プログラムに満足」と回答した。17人が参加後の変化があったとし、具体的には「刺激になった」「他の人の発表に感心させられた」「ものの見方が変わった」「生活に工夫が見られるようになった」といった回答があり、短期間・短時間のテストプログラムであってもエンパワメントをもたらす可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
COVID-19感染拡大により、高齢者を募ってグループワークを取り入れたプログラムを計画通り実施することが困難であった。
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今後の研究の推進方策 |
COVID-19の感染が収束に向かえば、対象となる高齢者を募りフォトボイスを用いた介護予防プログラムを実施しすることができる。しかし、その場合も引きつづき感染防止対策を講じて実施することになるので、プログラムの期間や時間の短縮、内容の修正を行って実施する必要がある。しかし、感染状況が再度悪化した場合には実施は難しい。また、対照とする予定である旭川市の介護予防教室も昨年同様、感染状況によって途中で中止・変更されることが考えられ、対照群としての要件を満たすかどうか不明である。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19感染拡大防止のために行動制限や自粛が求められたことにより計画どおりの研究実施ができなかったこと、また学術集会等もオンラインになり旅費が不要であったことによる。 今年度は前年度実施したテストプログラムを発展させて研究を進めたい。また、昨年度の成果を学会等で公表するための旅費等として使用する。
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