研究課題/領域番号 |
19K11190
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
須藤 紀子 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (40280755)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 高齢者施設 / 非常時対策 / 事業継続計画(BCP) / アクションカード / 給食 |
研究実績の概要 |
給食施設が非常時にも業務を継続するためには,平常時からのマニュアル作成や食事提供訓練等の対策が必須であり,要配慮者である高齢者が生活する高齢者施設では一層の対策が求められる。2021年度は「書き込み式高齢者施設における非常時給食マニュアル作成の手引き」と場面ごとにとるべき行動を端的に示した「食事提供訓練用アクションカード」を作成し,地震や水害による被災経験を有する熊本県内の高齢者施設の管理栄養士・栄養士から質問紙調査による評価を受けた。具体的には2020年度質問紙調査において,2016年に発生した熊本地震で被害があったと回答した43施設及び,2020年7月豪雨で被害があったと回答した8施設,計51施設の給食担当責任者に依頼した。内訳は,介護老人福祉施設17施設,介護老人保健施設21施設,介護療養型医療施設13施設であった。2021年8月上旬に印刷した手引き,アクションカード,質問紙を対象施設の給食担当責任者宛に郵送し,記入後に返送してもらった。手引きでは全体を通して,アクションカードではフローチャート形式や場面ごとにまとめた対策について,見やすく使いやすい等の意見が多く見られた一方で,施設のスペースや予算が確保できないために,職員用非常食の備蓄や非常食の備蓄日数の増加は難しいという課題や,施設側や委託業者との検討が必要であり,マニュアルの作成と導入には時間を要するといった課題も明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
高齢者施設における食事提供訓練はコロナでずっと見合わせていたが、ようやく協力施設が見つかり、Zoomによる説明も済ませた。現在は協力施設が希望する具体的な訓練内容の返事待ちである。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度に食事提供訓練を実施し、映像制作会社に撮影と編集を依頼する。 作成した訓練映像は他施設への啓発用DVDとして広く活用されるように販売を考えている。さらに、2021年度に作成した「書き込み式高齢者施設における非常時給食マニュアル作成の手引き」と「食事提供訓練用アクションカード」は書籍としての販売を目指している。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナのため、高齢者施設は部外者立ち入り禁止となり、食事提供訓練を実施できなかった。
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