研究課題/領域番号 |
19K11202
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研究機関 | 東都大学 |
研究代表者 |
佐藤 光栄 東都大学, ヒューマンケア学部, 教授 (70461837)
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研究分担者 |
甲州 優 東都大学, ヒューマンケア学部, 講師 (00781254)
杉本 昌弘 東京医科大学, 医学部, 教授 (30458963)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 遷延性意識障害高齢者 / 意識レベル / 脳波 / 唾液IgA / 看護介入 / アロマセラピー / 音楽療法 |
研究実績の概要 |
2020年度は、2019年度の最後の倫理審査において承認は得られたが、新型コロナウィルス感染拡大防止のための自粛活動や面会制限のため対象者とのかかわりができず、施設からも受け入れが困難とのことで、方法を模索していたところ、音楽療法士の研究協力者より、リモートにて実践してみているが、効果がそれなりにありそうであるという情報を得ることができた。。倫理審査委員会に方法の変更について申請したところ、リモート音楽療法という変更のため審査が必要ということで、数か月を要し、年度末に承認された。 音楽療法の会社に研究協力願えるか打診していたところ、一会社の方から協力可能との回答があり、説明する機会を得ることができ、施設の方を通じて研究協力可能か打診したところ、説明を行った。協力の可否については、実際の施設と調整の上決定することとなった。施設スタッフにデータ収集の協力ができるかの確認と練習を行ったら可能であるとの回答であった。 一方アロマを用いた効果の検証も、対面であるため、高齢者施設で実施するのは、困難とのことにて、地域のる高齢者に協力ということになるが、実施方法についての再考が必要となり、健常な成人に実施し、技術的な確認や、方法の見直しにより対象者との接触時間の短縮について検討をする必要がある。その後、高齢者で行う様に変更し、2021年度には実践できる体制を整える。アロマトリートメントの技術差を少なくするため、研究協力者から技術指導を受け、同等の技術で実施できるよう整え、実施者を増やした。 この間、脳波計のセンサーが新しくなり、その説明を受けたり、研究対象者の選定、協力施設の選定と水面下の打ち合わせを行ったりした準備を行い、音楽療法や、アロマセラピーによる介入研究論文のクリティーク活動をした。文献としては、評価の妥当性を示す客観的データによる研究は少なく、主観を中心とした内容が多かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年度は、2019年度の最後に倫理審査において承認は得られたが、新型コロナウィルス感染拡大防止のための自粛活動や面会制限のため対象者とのかかわりができず、施設からも受け入れが困難という返答にて、対象の選択ができない状況にあった。また、冬季に向けたところで承認が得られたため、インフルエンザやコロナ禍のための面会制限、自粛活動や面会制限のため対象者とのかかわりができず、研究実践には至らなかった。 昨年暮れにリモート音楽療法をおこなっているという情報があり、施設の内諾が取れたので、倫理審査委員会に追加申請をしたところ、方法の変更であるため審査に時間を要することとなり、年度末に承認が得られた状況である。そこから具体的に施設との打ち合わせを行っている状況であり、実践が来月以降となる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
脳波計のセンサーに関しては、計測環境の影響(例えば部屋の明るさや風通りなど)も受け、1度の極めて再現性が低く、ある程度の繰り返しと、その間のデータの積分等によって比較しなければデータが安定しないことが分かった。被験者の測定を実施するまでに、これらの基礎データをとることで、再現性のよいデータを取得するように準備する。コロナ禍において対象者との接触ができない場合は、脳波での結果を得るのは健常な成人期にある人に変更することも考慮する。 今後は、新型コロナウィルス感染防止対策を継続しつつ、自粛解除され対面での研究活動が再開されることを期待するが、困難なことが予測される為、リモートで実施し、データ収集は施設の方に協力が可能な内容のみに変更する。実施側の施設の方との調整後、研究実践を行う。データ収集は2021年11月ころまでに終了できるよう計画している。COVID-19の第4波、インフルエンザを警戒しつつスタンダードプリコーションを遵守し実践する予定である。その後、データをまとめて検討する。検査方法をELISAによる方法から、唾液採取の際に、研究協力施設の職員が、極力唾液に触れることなく採取できるように、採取方法及び検査方法をCUBEリーダーと変更することを検討する。そのためには、CUBEリーダーでもELISA法でもデータに変わりがないことを文献等で確認する必要がある。アミラーゼやs-IgAだけでなく、どのようなホルモンやその他の分子が変動しているかを文献レベルで調べ、実際に採取した唾液のための、測定方法を決定しておく。 まず、リモート音楽療法の見学を行い、協力施設との日程調整を行い、実施できる対象者を確保し、年度内に予定人数のデータを収集する。11月ごろまでにできなければ、実施について再考する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の感染防止対策に伴い、実践できずにいたが、リモート音楽療法について測定する事、脳波については利用者に直接できないため、健康な高齢者に行うことにするなどの変更を行い、今年度は最後の年度になるため、多くの対象を得るように実施したいと考えている。唾液IgA測定もCUBEリーダーを用いて、感染予防に努めながら、施設の協力を得て実施する。CUBEリーダーは未購入のため、この検査用キットとチップとに費用が必要になる。実施としては、かなり遅れているため、データ収集のみが今年度に実施できることになることが予測される。学会発表や論文投稿については、次年度となる可能性もある。 また、計画においては海外の音楽療法やアロマセラピーの状況視察を考えていたが、これはコロナ禍により中止とせざるを得ないと考えている。研究の遅れを取り戻すべく、積極的に進めたいと考えている。
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